フィリピン:MSF緊急援助、スタッフ100人規模へ

2013年11月13日掲載

台風30号がフィリピンを直撃して1週間が過ぎようとしている。国境なき医師団(MSF)は、最も被害の大きい地域へ援助を届ける努力を続けている。MSFは、被災地に派遣するスタッフの規模を100人以上に拡大。医師、看護師、外科医、ロジスティシャン、心理療法士、給排水・衛生活動の専門家などを数日以内に現地入りさせる予定だ。また、医療物資、避難所用資材、衛生キット、給排水・衛生活動用機材の発送も、輸送機8機分に増やし、フィリピンへと向かっている。

ただ、被災地はがれきで道路は寸断され、被災した空港への航空便の多くが強風や豪雨によって欠航となっているため、レイテ州タクロバンへの現地入りは困難を極めている。

MSFの緊急対応コーディネーターであるナターシャ・レイズ医師は「現地は壊滅的な状況です。完全に混乱状態に陥っています。現地入りは非常に困難です。被災者は援助を受けることができずにいます。MSFの目下の優先事項は、孤立した地域の人びとの元へと向かうことです。アクセスが難しく、必要とされている援助を届けることも後回しにされがちだからです」と説明する。

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孤立した地域への援助急ぐ

台風30号が直撃したタクロバン市内 台風30号が直撃したタクロバン市内

気象津波(※)によって医療施設は破損あるいは破壊され、医療機器も流された。タクロバンで負傷した市民の多くは、現在タクロバン空港に集結している。MSFは、空港で医療を提供するとともに、まだ機能している病院1ヵ所を支援する。

さらに、ボートやヘリコプターを利用し、セブ島の西に位置する島々や東のサマ―ル島ギワンなどを始めとする周辺地域へと向かい、緊急医療援助活動を展開する。しかし、通信網が遮断されているため、農村地域など遠隔地の被災状況に関する情報は殆ど得られていない状況だ。

「手当てを受けていない負傷者がいることでしょう。強風で無数の家屋や建物が崩れたため、重傷者もいると見ています。軽症であっても細菌などに感染すれば重篤になる可能性もあります。医療を受けられない状態が続く中、これはすぐに深刻な問題になるでしょう」と、レイズ医師は懸念する。

現在MSFは、破傷風の予防接種など緊急の医療ニーズに対応することを優先させている。「その後は、避難所、水、食糧など、すべてに対応します。被災した方々は何もかも失ってしまったのです」と、レイズ医師は説明する。

  • 台風で海面が吸い上げられ、沿岸部に高波が押し寄せる現象

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