スリランカ:MSF、活動プログラムの引き継ぎを完了

2012年10月11日掲載

国境なき医師団(MSF)は、スリランカのムライティブ県で行っていた活動を保健省や他の国際NGOに引き継いだ。これで、MSFがスリランカで行っていた活動の引き継ぎが完了した。活動期間は、1986年~2012年の26年間となった。

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保健省との連携で状況を改善

ムライティブ病院で外科治療を行うMSFスタッフ ムライティブ病院で外科治療を行うMSFスタッフ

スリランカでも認知を得ている国際NGOには、2012年8月、同国北部での心理ケア・プログラムを引き継いだ。それ以前から、医療活動も18ヵ月をかけて少しずつ保健省に引き継いできた。

MSFのスリランカにおける活動責任者であるマリー・ウアネスは「MSFは2010年、国内で避難していた人びとへの医療援助を行うことを決めました。再定住に際し、医療を受けられる機会を増やすためです。その当時、ムライティブ県総合病院はほとんど機能していませんでした」とそう話す。

しかし、首都機能が多く残されている旧首都のコロンボやその他の地方で、保健省と連携したことで状況が変わった。ウアネスは「ムライティブの人びとが保健医療施設を利用できる環境が大幅に改善されました。政府が施設職員を増やしたこともあり、MSFは医療や施設が足りない地域へと活動場所を移し、新たに緊急援助を行うことができるようになりました」と話す。

ムライティブ病院の存続に注力

2006年から2011年にかけて、MSFはポイント・ペドロ病院の救急処置部門と、母子保健・外科・感染制御分野の支援を行った。これらの活動は、2011年12月に保健省に引き継いだ。2011年のMSFの活動実績は、大手術1720件、救急診療約6900件、産前ケア約5300人、分娩介助929件だった。

2012年に入り、ムライティブ病院(80床)での活動を徐々に保健省に引き継いでいった。2011年は、救急処置部門で約5000件の診療を行った。そのうち、MSFの外科医が1004件の大手術を行い、新生児329人の分娩介助と妊婦2295人の産前ケアを提供した。

2010年12月、ムライティブ県の一部で孤立状態にあった人びとに、基礎医療の提供と専門医の紹介を行うため、移動診療プログラムを開始。2011年には、プトゥックディイルップ郡を中心に5ヵ所で週平均200件、通年で合計1万1524件の診療を行った。

MSFはまた、ムライティブ病院の存続のために電力・水道・衛生システムを設備し、検査業務の確立を支援した。

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