パキスタン:援助の遅れを懸念、被災地入りの許可下りず

2013年10月08日掲載

パキスタンのバロチスタン州アワラン郡周辺で2度の大地震が起き、最初の地震が起きた2013年9月24日からすでに2週間以上が経過したが、パキスタン政府から国境なき医師団(MSF)への援助活動許可がいまだに下りていない。MSF活動責任者のクリス・ロックイヤーは「地震直後アワラン地域へのチームと物資の輸送を求めて各行政局と交渉を重ねてきました。しかし、今もパキスタン政府から被災地入りを承認されていません」と話す。

同州は国内の最貧地域の1つ。震災以前から栄養状態が悪く、マラリアやその他の感染症が流行していた。2度の大地震と援助の遅れで、地域住民の健康状態がさらに悪化する恐れがある。

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最貧地域が被災、さらなる健康悪化の恐れ

ロックイヤーは 「被災者にとって、援助の到着が2週間以上もかかるのは、あまりにも長い時間です。援助ニーズに少しでも対応するため、担当局は公正な判断をするべきです」と指摘する。特に、政府の支援が届かない地域では、援助ニーズが高まっている。この1週間、MSFの複数のチームが、外傷ケア、1次医療、給排水・衛生面の支援といった医療・人道援助をアワラン地域で行う態勢を整えた。

MSFは以前からバロチスタン州で活動している。同州は最貧地域の1つで、健康指標の一部は最低値を示している。栄養失調率も震災以前から高く、子どもたちのマラリアへの抵抗力や、不衛生な環境に起因する病気への抵抗力を衰えさせている。ロックイヤーは「MSFは現地の人びとの健康状態を懸念しています。地震の影響でさらに悪化するでしょう」と話す。

パキスタンではアワラン地域への対応のほかに、武力紛争の被害者や医療の受けられない人に1次・2次医療を提供。連邦直轄部族地域(FATA)、カイバル・パクトゥンクワ州、バロチスタン州、シンド州で無償の緊急医療を行っている。

MSFのパキスタンにおける活動はすべて、世界各地の個人寄付者からの支援を財源としており、いずれの国の政府、資金援助機関、軍、政治団体からの資金も受け付けていない。なお、MSFは世界約65ヵ国で無償の緊急医療援助を届けている。

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