ウガンダ:急増するコンゴ人難民、MSFが援助拡充

2013年09月02日掲載

国境なき医師団(MSF)は、ウガンダ西部で緊急医療活動と給排水・衛生活動を展開している。隣国のコンゴ民主共和国北キブ州の情勢が不安定で、ウガンダ西部には2013年7月中旬以降、多くのコンゴ人が難民となって逃れて来ている。

MSFは1986年からウガンダで活動。緊急対応のほか、アルーア県ではHIV/エイズ・結核治療プログラムを展開している。

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一時滞在キャンプ、収容能力が限界に

ウガンダとコンゴ民主共和国の国境から18kmの場所にあるブブクワンガ一時滞在キャンプは、収容人数が1万2500人となっている。しかし、ここに約2万2000人が滞在している。

MSFは妊産婦ケア、予防接種、栄養治療を提供するほか、健康への脅威となりうる給排水・衛生環境の改善にも注力。医療援助は、難民と地域住民の双方に向けられ、対象者は合計5万人に及ぶ。

また、2013年9月第1週には、難民の移転先であるキャングワリ常設キャンプでの医療援助を開始する。国連の難民高等弁務官事務所(UNHCR)は既に、約4000人をブブクワンガからキャングワリに移送した。引き続き、週に2000人ずつを移送する計画だ。

ただ、両キャンプの距離は150kmで、最長6時間を要し、移動の危険を伴うものだ。これまでにもバス1台が巻き込まれた事故があり、子ども1人が亡くなり、24人が負傷した。MSFは負傷者を救急搬送車で最寄りの病院に運び、集中治療を行った。

増え続ける難民、コレラ流行の懸念

ブブクワンガに滞在する人びと

コンゴ民主共和国の治安悪化で、ブブクワンガに新たに到着する人は増え続けており、その数は8月第3週だけで約3000人にのぼる。キャンプ内の給排水・衛生環境も依然として、MSFの懸念事項だ。

MSFの活動責任者であるリュバン・ポティエは「ここ数週間で状況は好転しているものの、トイレが不足し、キャンプ滞在者82人にわずか1基という比率です。汚水があふれ出そうで、コレラ、下痢、細菌性赤痢への罹患リスクが深刻です。特にコレラは心配です。この地域は感染流行地で、ピークはいつも雨季の始まりと重なるのです」と懸念する。

雨季の始まりでコレラのリスクが高まる一方、トイレのくみ取りを行う車両の進入は困難を増す。MSFはトイレの増設、清潔な水の搬入、コレラ発生の際に必要になる医療物資の準備を行っている。

MSF、産科医療にも対応

ブブクワンガでは現在、1日平均約300件の外来診療も提供している。主な病気は、気道感染症、マラリア、下痢。さらに、性暴力被害者の援助も行っている。さらに、MSFが支援する入院施設では、ベッド数を20床から47床に拡充した。小児用、成人用、妊婦用の病室も1部屋ずつ設けている。

ポティエは「リプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)分野の援助能力を拡充しています。緊急時にも、生活が営まれ、女性が出産をし、難産には医学的介助が不可欠だということを忘れてはなりません。MSFの産科施設は難産にも対応可能で、転院が必要になるのは帝王切開の場合だけです。7月22日以降に、MSFの介助で生まれた新生児は92人です」と話す。

MSFはキャングワリの難民受付区域でも医療施設の設置を進めている。9月第1週には、基礎医療、治療継続の必要な患者への病院紹介、子どもを対象とした予防接種と栄養失調検査を開始する。ブブクワンガで栄養治療を開始した子どもの経過観察と治療も継続される。 難民の増加を受け、MSFは両キャンプで引き続き活動を拡大していく予定だ。

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