イラク:シリア人難民がクルド人自治区に――国境再開で4万人超

2013年08月26日掲載

シリアと国境を接するイラクのクルド人自治区に、大勢のシリア人難民が押し寄せている。国境通過地点であるペシュカブルが2013年8月15日に再開されてから、8月23日までに入国した人の数は4万2300人を超えた。国境なき医師団(MSF)は国境の両側に診療所を開設して医療と水を提供している。人びとはイラク入国後、アルビルとスレイマニヤの両県で設置が進んでいる5ヵ所の一時滞在キャンプに移送されるまで待機している。

MSFは2012年5月以降、シリア人4万2000人の生活するドホーク県ドミーズ難民キャンプで活動を続け、一般診療と心理ケアを提供。ドホーク市に滞在中の難民約7万人のニーズ調査も予定している。

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MSF、緊急援助を拡充

国境地帯で移送を待つシリア人難民

MSFのクルド人自治区ドホーク市での活動責任者であるポール・ヨンは「国境は数ヵ月前に封鎖されたのですが、このたび再開されたことを聞きつけた人びとが、シリア中から避難してきたようです。ここ数日は、アル=マーリキーヤ市近郊(デレク)から空爆を逃れて来た人が大半です」と話す。

国境のイラク側では、MSFは移送を待つ難民に200件余りの一般診療を提供している。ヨンは「これまでのところ、医療上の深刻な問題は見つかっていません。患者の大多数が子ども、妊婦、母親で、長距離の徒歩移動や、国境通過までの長い待ち時間のせいで中程度の脱水症状に陥っています。ぜんそくの症例も多く見られます」と報告。診療件数は日々、増加しているという。

MSFは、病院の紹介が必要な患者にも医療的見地から助言を行っている。8月22日には、負傷者2人がイラク入国後、地元保健管轄局の提供する救急搬送車でドホーク病院へと移送された。

国境のシリア側には8月18日からMSFチームが入り、国境通過を待つ6200人に給水を行った。8月23日には同チームを拡充し、給水に加えて、さらなるニーズに対応していく。状況によって診療所を移転する態勢も維持している。さらに、アルビル県下の複数のキャンプに受け入れられた難民にも一般診療を提供していく。

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