南スーダン:スーダン人難民の状況(2013年1月17日現在)

2013年01月24日掲載

スーダンの青ナイル州および南コルドファン州で、2011年半ば、政府軍と武装組織「スーダン人民解放軍北部(SPLA-N)」とによる衝突が勃発。同年11月、戦闘が激化し、大勢のスーダン人が避難した。現在までに、南スーダンに約17万人、エチオピアに4万人が入国し、難民キャンプで生活しており、国境なき医師団(MSF)が医療・人道援助を続けている。

南スーダンへの道のりは最長で6週間ほどかかり、移動はほら穴づたいで、食糧は植物の葉や根しかなく、飲み水の確保も困難だ。国境までの道中で、体力の消耗、栄養失調、病気などで亡くなった家族がいるという難民も多い。入国後は難民キャンプに滞在し、食糧、水、住居、医療といった生き延びるために最低限必要なものを人道援助に依存する生活を送らざるを得ない状況だ。

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現状

約17万人のスーダン人難民は、南スーダン国内5ヵ所の難民キャンプに滞在している。国境なき医師団(MSF)は全てのキャンプに駐在し、それぞれのニーズに合わせ、必須医療や給水活動を行っている。

ユニティー州/イダ難民キャンプ(6万人)

死亡率は低下したものの、引き続き人道援助が必要とされている
(イダ難民キャンプ)

ユニティー州のイダ難民キャンプには、スーダンの南コルドファン州から約6万人が逃れてきた。MSFは2011年12月から同キャンプで活動している。緊急対応活動のピークは雨季で、最も状況の悪化した2012年5~7月だった。この期間に、1日最大で1000人の新規難民が到着し、キャンプ人口は4倍に増加した。

下痢・マラリア・肺炎といった病気と栄養失調との合併という悪循環で、死亡率は緊急事態を示す基準の2倍を超えた。多い時には、平均で1日5人の子どもが亡くなっていた。さらに、洪水でキャンプへの陸路が完全に遮断され、空路が唯一の移動手段となっていた。

現在は洪水が引き、危機的な死亡率のピークも過ぎている。しかし、生活の最低限の条件を確保するため、依然として人道援助が必要とされている。他団体が人道援助における別の分野に対応するかたわら、MSFは医療の提供において中心的な役割を担っている。

イダ難民キャンプの医療

野外病院:1ヵ所
外来診療所:1ヵ所
外国人スタッフ:16人
現地スタッフ:174人
診療件数(週平均):約2100件
主な健康上の問題:呼吸器感染症、下痢、マラリア、E型肝炎の持続的な流行

上ナイル州/バティル、ドロ、ゲンドラッサ、ジャマム各難民キャンプ(計11万人)

井戸の掘削を進めるMSFスタッフ(ドロ難民キャンプ)

スーダンの青ナイル州から南スーダン上ナイル州マバン郡の過酷な荒野に逃れてきた難民約11万人は、4ヵ所のキャンプに別れて滞在している。MSFは、初期の難民が到着するようになった2011年11月からマバン郡で活動している。

2012年6~8月にかけて、雨季による洪水、消耗状態の新規難民3万5000人の一斉到着、病気・栄養失調の大流行が相まったことによる深刻な影響で壊滅的状況となった。死亡率も緊急事態を示す水準の2倍以上に上昇した。

現在は洪水が引き、事態はやや落ち着きを取り戻した。しかし、相当規模の人道援助が継続されなければ、食糧・水・医療を確保ができない状態だ。乾季には、後続の難民が国境越えを開始するとみられる。MSFは、郡内4ヵ所の全てのキャンプに駐在し、医療を提供。ドロでは、大量の水のくみ上げと浄化を行い、清潔な飲用水を毎日配給している。

4つの難民キャンプの医療

野外病院:計3ヵ所
外来診療所:計7ヵ所
外国人スタッフ:計90人
現地スタッフ:計700人
診療件数(週平均):計約5500件
主な健康上の問題:下痢、呼吸器感染症、マラリア、E型肝炎の持続的な流行
浄水・給水量(週平均):計約250万リットル

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