南スーダン:難民キャンプでE型肝炎が流行

2013年02月12日掲載

上ナイル州マバン郡内のスーダン人難民キャンプで、E型肝炎の流行が広まっている。各キャンプに医療施設を置く国境なき医師団(MSF)では、これまでに合計3991人を治療した。一方、妊婦15人を含む88人が亡くなっている。

MSFは2011年11月から、マバン郡で活動を続け、現在、合計3ヵ所の野外病院と7ヵ所の外来診療所を運営。郡内4ヵ所のキャンプを通じて、主要な医療提供団体となっている。

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患者数なお増加、亡くなる人も

MSFの診療所でE型肝炎の診療を受ける人びと(バティル)

E型肝炎はウイルス感染による肝臓疾患で、急性肝不全や命に関わる事態を引き起こす。特に危険なのは妊婦だ。感染経路はコレラに似ており、不衛生で水の汚染されている環境で広がっていく。原因療法はなく、行えるのは対症療法のみだ。

マバン郡で活動するMSFの医療コーディネーター、ホセ=ルイス・ドボルサク医師は「E型肝炎患者の治療に力を尽くしていますが、この病気には原因療法がありません。流行はまだ終息せず、さらに多くの人が亡くなるのではないかと憂慮しています」と話す。

感染の最初の報告は2012年6月。ジャマム、ゲンドラッサ、バティルという3ヵ所のキャンプが主な感染地となっている。また、MSFは直近2週間で、ドロ難民キャンプでE型肝炎の疑われる人を新たに41人確認。郡内4ヵ所の難民キャンプすべてがE型肝炎ウイルスの感染地となった可能性がある。

バティルの患者数は今も増加している。2012年11月に週平均1~2人だった死亡率も、2013年1月には週平均10人に達した。ドロでも既に2人が亡くなっている。

不衛生・水の汚染で拡大

難民キャンプ内のE型肝炎病棟(バティル)

E型肝炎が流行しているのは、給排水・衛生に関わる条件が劣悪なためだ。郡内には難民となった11万人以上が生活している。清潔な水の供給が不足し、使用に耐えるトイレの数が限られ、手洗い場もごくわずかにしかない。

ドロで活動するMSFの緊急対応コーディネーター、ロランス・セリーは「難民キャンプは紛争に巻き込まれない場所というだけでなく、難民たちが健康を維持し、予防可能な病気やその流行にも巻き込まれずにいられる場所でなくてはなりません」と指摘する。

一方、MSFは、野外病院でその他の疾病患者の治療にもあたっている。また、物資の不足を補うための緊急活動も展開中だ。例えばドロでは、汲み上げた水を浄化して、週平均約250万リットルを給水している。

マバン郡は地理的条件から、雨季には氾濫原となり、乾季には干上がった不毛の土地となる。郡内のキャンプに滞在する難民たちにとって、人道援助が、命をつなぐための食糧・水・医療を確保する頼みの綱となっている。

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