ミャンマー:ラカイン州での人道援助に強硬派が......

2013年02月19日掲載

ミャンマー・ラカイン州の民族抗争で大勢の人びとが自宅を離れ、避難キャンプで過酷な生活を送っている。国境なき医師団(MSF)は現地で、医療・人道援助活動を行っているが、活動を妨害する行為も後を絶たない。重症・救急患者を病院に紹介する際にも厳しい制約がある。ミャンマーの担当局は、すべてのラカイン州民が保護され、救命援助を受けられる環境を確保する必要がある。

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援助団体をビラやSNSで誹謗・中傷

現地では、一部の強硬で影響力が強いラカイン人勢力が、冊子、ビラ、フェイスブック上の投稿などを通じて、「MSFやその他の援助団体がロヒンギャを優遇している」との主張を繰り返している。ある地元有力者は、抗争を逃れて村から退避した人びとに対し、MSFが医療援助を行っていることについて「望ましくない植物への水やり」と例えた。

人命救助・人道援助を試みるMSFのような団体にとって、最大の障壁は現地入りの公認申請などではなく、前述のような"威嚇行為"だ。担当局は、医療従事者への暴力を示唆する脅迫行為は容認できないという姿勢を、はっきりと打ち出せていない。

MSFは"独立・中立・不偏"

MSFのマラリア検査を受ける病気の子ども

MSFは独立・中立・不偏の医療・人道援助団体であり、民族・宗教・信条・政治的信念の別なく、必要な人に医療援助を届けている。活動プログラムは、最もニーズの高い場所で援助を提供するために、独立・不偏の調査分析に基づいて決定している。

ラカイン州を含むミャンマー全土でも、そうした原則に従って、20年にわたり活動してきた。その成果として、あらゆる民族の大勢の人びとが、マラリア、HIV/エイズ、結核といった病気の治療を受けている。それにもかかわらず、脅迫行為が繰り返されている。

不偏であるということは、患者の出身や信条に関わらず、必要に基づき医療を提供するということだ。MSFをはじめとする各団体に向けられた敵意によって、その援助能力が著しく制限され、多くの人が窮状にありながら援助を受けられずにいる。

MSFは、脅威にさらされている人びとの保護強化と、窮地にある人びとを対象とした援助遂行の後押しを、ミャンマー担当局に求めている。

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