モザンビーク:洪水被害の街で増え始めた病気とは?

2013年02月27日掲載

モザンビークのガザ州で発生した洪水により壊滅的な打撃を受けたチョクウェ市では、主要な病院や医療施設が閉鎖され、医療援助が急務となっている。国境なき医師団(MSF)は、派遣スタッフや医療物資を増やして現地医療機関の復旧に取り組んでいる。

MSFは現在、被災地における緊急援助体制を強化しつつある。チョクウェへの派遣スタッフを増員し、追加の医療物資をガザ州に送っている。MSFは、1984年にモザンビークでの活動を開始。これまで、3万3000人のHIV陽性患者に抗レトロウイルス薬治療を提供している。

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避難者の帰宅開始、医療不足解消が急務

洪水被害に遭ったガザ州(2013年2月15日時点)

首都マプトの225km北に位置するチョクウェの総合病院(120床)には、洪水で泥水が流れ込んだ。MSFは、病院の一部の機能を回復させる作業と、患者を収容するために10~15床のベッドを確保する作業を進めている。

モザンビークでの活動責任者であるレヴェカ・パパドプルーは「街は破壊され、公共サービスも復旧していませんが、人びとの帰宅が始まっています。MSFの調べでは、病院での治療が必要な重症患者も増加しています」と話す。

1月30日にチョクウェに到着したMSFスタッフは、これまでに1万件以上の診療を行っている。MSFのアメリア・マクアクア看護師は「1日に診察する患者数は平均700人。時にはそれ以上の患者を診ています。また、15~20人程度の重症患者を周辺地域の病院に搬送しています。周辺の病院は機能しているものの、増え続ける患者に対応しきれない状況です」と現状を説明する。

また、パパドプルーは「保健医療サービスの提供が急務です。関係者がこのことを認識するまでに時間がかかりましたが、近々、チョクウェの地方病院が復旧し、受け入れ可能になるでしょう。MSFは、基礎的医療と必須医薬品の提供を含む医療援助を行います。また、下水道設備や電気などの基盤整備に努めます」と話す。

マラリア拡大の懸念

これまでに診察した患者のうち、3300人以上が抗レトロウイルス薬(ARV)治療やカウンセリングを必要とするHIV陽性患者だった。そのうち900人は、マラリアも併発していた。

MSFチームは、この地域で流行する恐れのある疾病のモニタリングも行っている。現在、マラリア患者に増加が見られる。昨年(2012年)と比較しても明らかだが、パパドプルーは「この上昇がどれほど深刻なものかはまだ分かりません。数値が上昇したのは監視を強化した結果だという可能性もあります」と説明する。

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