バングラデシュ:ロヒンギャ難民にきれいな水を 日本人ロジスティシャンが見たキャンプのいま

2018年02月06日掲載

2017年8月25日にミャンマーのラカイン州で起きた殺りくから5ヵ月が経ち、バングラデシュへ逃れてきたロヒンギャ難民の数は68万8000人を超えた。バングラデシュのコックスバザール県、ミャンマーとの国境沿いにいくつも作られた難民キャンプでは、人口が増え続けている。

雨風をしのぐだけの小屋、水やトイレは不足し、5ヵ月が経ってもキャンプの生活環境は厳しいままだ。国境なき医師団(MSF)は、15の診療所、3つの基礎医療センターと5つの入院施設を運営し、呼吸器系の疾患や下痢症、感染症などの治療をしている。日本人スタッフも現地に入り、活動を続けている。

感染症の脅威にさらされる人びと

ジフテリアの治療を受ける子ども
マイナーゴナ難民キャンプ

昨年9月から今年1月にかけ、難民キャンプでは3500件を超えるはしかの症例が出たほか、ジフテリアが流行した。患者の多くは5~14歳までの子どもたちで、MSFはジフテリア治療センターを設置して、必要な「抗毒素治療」をしている。1月22日までに4371件の症例に対応した。

ロヒンギャの人びとの多くはミャンマーにいた頃に予防接種を受けていない。キャンプの人口が増えれば食べ物や飲み水はさらに手に入りにくくなり、込み合ったキャンプでの不衛生な環境が、感染症の流行を後押ししてしまう。水、衛生環境、住居など、早急にキャンプの生活を改善する必要がある。

清潔な水の確保、衛生環境改善のために

藤田真人ロジスティシャン

MSFのロジスティシャン、藤田真人は調達の専門家。2017年10月から2018年1月にかけバングラデシュのコックスバザールに赴任し、5万8000人が暮らすタスニマルコラ難民キャンプで診療所を開設するため、必要な資材・機材の調達を担った。「着任して間もなく、キャンプに到着したロヒンギャの人たちが、周辺の路上に座り込んでいる姿を見ました。持ち物もなく、まさに着の身着のまま、疲れきって座っていました」と振り返る。

診療所は3週間あまりで完成し、患者の治療が始まった。「この短期間で開設できるのはMSFの機動力の強みです。次の課題は、清潔な水の確保と衛生状況の改善。キャンプには決まったトイレもなくて、みんなその辺りで用を足しています。井戸の近くでトイレをすることもあります」。ロヒンギャ難民は自分たちでも井戸を掘っているが、深さが足りないため水が十分に清潔ではなく、汚水が混ざってしまうこともある。藤田ロジスティシャンは「MSFはドリルで深い井戸を掘っていますが、まだ数は足りていません」と語っている。

簡単に使えるフィルターの配布も

水をきれいにする家庭用フィルターを
ロヒンギャ難民に配布

1月現在までに、MSFはコックスバザール県に点在している難民キャンプにトイレ1522基、井戸218基を設置した。タスニマルコラとバルカリ2の難民キャンプでは、さらに20基の井戸を掘る予定だ。

そんななか、新たに始めたのが「アクアフィルター」の配布活動だ。MSFは今、手動で簡単に水をきれいにする家庭用のフィルターを、ロヒンギャの人びとに配布している。

藤田ロジスティシャンは効果を期待している。「ロヒンギャの人たちがフィルターをきちんと使えているか、使う意義をちゃんと理解してくれているかどうかも、モニターしています」

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