コンゴ民主共和国:巨大都市に広がるコレラ 緊急対応で封じ込めを

2018年02月02日掲載

MSFのコレラ治療ユニット

過去20年間で最悪――コンゴ民主共和国(以下「コンゴ」)で今、コレラ が大流行している。2017年は、全26州のうち24州で5万5000人が発症し、1190人が亡くなった。国境なき医師団(MSF)は患者の約半数である2万5300人を最前線で治療している。

設備が整わない人口密集地で急速にまん延

MSFは治療施設を拡張して対応

コンゴの首都キンシャサは産業の中心地で、人口1200万人が住む。国民の6人に1人が暮らすこの巨大都市にも、コレラが広がる。キンシャサでは飲料水と衛生設備が足りず、適切にコレラを治療できる保健医療設備も整っていないため、流行が広がりやすい。コンゴの保健当局は、2017年11月末から2018年1月22日までの間に新たに感染した疑い症例が826件、死者は32人(死亡率3.8%)と発表した。

MSFのコンゴ緊急対応チームは、この流行を封じ込めるため、キンシャサ市内のカンプ・リュカとパカジュマにコレラ治療ユニット(CTU)を置き、特に患者の多い区域で24時間体制の治療をしている。2018年1月16日に活動を開始し、すでに157人の患者を治療した。このうち約40%は重度の脱水症に陥っていた。133人はすでに退院したが、1人は亡くなった。

緊急対応チームのジャン・リヨロンゴは、「今回の流行を受け、MSFは対応を強化しました。CTUでの患者の治療のほか、10ヵ所の補水ポイントを設置し、疫学的調査と監視、健康教育、救急搬送もしています」と語る。「コレラはキンシャサでも人口密集地域で発生していますから、すぐに対応してまん延を防ぐことが重要です。早急に無償で患者を治療するとともに、医療施設を支援することで適切なケアができます」

コレラは「恥ずかしい病気」

コレラの治療を受けるマリーさん(仮名)

清潔な飲料水が手に入りにくく衛生設備も整っていない地域では、コレラはすぐに広まってしまう。感染すると重度の下痢と嘔吐を引き起こし、患者は急速に脱水症状に陥る。コンゴでは風土病で、1970年代以来コレラの症例が出ており、9つの州、特に東部の大湖地域周辺で繰り返し発生している。

カンプ・リュカのMSF診療所で治療を受けている患者、マリーさん(仮名)は「数日前に具合が悪くなり、ひどい下痢と嘔吐でした。私が住んでいるカンプ・リュカで、すでにたくさんコレラの人がいましたから、夫に診療所に連れて行ってくれるように頼んだんです」と話す。「ものすごく弱っていたのでバイクタクシーに乗ろうとしましたが、どの人にも断られました。キンシャサでは皆、コレラに偏見を持っていて、恥ずかしい病気とされています。夫は私をおんぶして、この診療所まで3kmも歩いてこなければなりませんでした」

MSFはコンゴ民主共和国で1981年から活動している。2018年1月現在、26州のうち20州で活動し、紛争と暴力による被害者、避難者のほか、コレラやはしか、HIV/エイズなどの患者を治療している。緊急対応チームは感染症の流行、自然災害や紛争などの発生時に国内全域で対応できるよう準備している。

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