イエメン:史上最悪のコレラ流行、現在の状況は?

2017年09月27日掲載

青:WHO発表のコレラ症例数
赤:MSFが治療した患者数

イエメンでは2017年春から、ほぼ全域でコレラが大流行してきた。だが、7月中旬から減少傾向となっている。世界保健機関(WHO)とイエメン政府は、4月27日~8月27日にコレラの疑いがある症例は57万5249件、死亡者数は2025人だったと発表した。

国境なき医師団(MSF)は、3月30日~8月26日に計9万1645人を治療した。報告された症例の16%にあたる。また、各地を訪問し、モスクの集会やラジオ放送を通じて予防法を周知した。コレラ予防グッズを配ったり、給水ポイントを設置したり、医療関係者を研修したりもしている。

記者会見でイエメンの状況を説明する村田慎二郎 記者会見でイエメンの状況を
説明する村田慎二郎

イエメンで活動責任者を務め、6月の帰国後に記者会見を開いた村田慎二郎は「保健省職員への給与の支払いが2016年9月から止まっていて、衛生環境はひどい状態。楽観はできません」と指摘している。

なぜ大流行したのか?

MSFのコレラ治療センターに入院し、無事に回復した女の子 MSFのコレラ治療センターに入院し、
無事に回復した女の子

たしかに、患者は減り始めた。だが、衛生水準は低いままであり、病院へ通うのが難しかったり、安全な飲み水が不足していたりするため、再び感染が広がる可能性がある。

今回のコレラ大流行は、医療体制の崩壊も原因だった。イエメンでは長年にわたって紛争が続き、病院や救急活動への攻撃も繰り返されている。

また、経済の停滞と貧困の増加、給排水や衛生設備などの社会インフラが不足していることも、事態を悪化させる原因となっている。

これ以上の拡大を防ぐために

当面はまだ患者が出続けると予想されている。雨期に入ったことで流行のリスクが高まる恐れもある。情勢は流動的なため、地域レベルでの予防活動とバランスをとりつつ、症例管理をする必要がある。

また、患者の立場に立った治療をしたり、流行拡大を防ぐために医学的監視をしたりするなど、医療援助の質の向上も求められる。保健省の全職員に給与を支払うこと、もしくは少なくとも十分な報酬を出すことも重要だ。

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