中央アフリカ共和国:病院敷地内に1万人が避難――MSFの対応は?

2017年08月14日掲載

病院の敷地内に避難してきた人びと 病院の敷地内に避難してきた人びと

中央アフリカ共和国北部のバタンガフォで武装勢力の衝突があり、2週間ほど経った現在もバタンガフォ病院の敷地内に約1万人が避難する事態となっている。

国境なき医師団(MSF)は以前から病院内で医療・人道援助活動を行っており、今回の避難者急増にも対応。傷病者の診療のほか、給排水・衛生体制を拡充する活動などにも力を入れている。

武力衝突は、かつて反政府勢力連合体だった「セレカ」の元構成員と自称「自衛勢力」との間で起きた。第1波は2017年7月29日、第2波は8月1日で、計24人が死亡、17人が負傷した。バタンガフォ病院は陣営にかかわらず負傷者を受け入れ、治療している。

避難キャンプが略奪の標的に

病院でさえ安全とは言い切れない事態となっている 病院でさえ安全とは言い切れない事態となっている

これまでもたびたび戦地となっていたバタンガフォは、この戦闘で再び混乱に陥り、殺人と略奪が横行している。MSFを含めた多数の援助団体が強盗に遭った。避難キャンプは略奪と焼き討ちの標的となり、避難者は再避難をせざるを得なくなった。

MSFは、避難キャンプを一刻も早く再建し、避難者が安全に戻ってこられる条件を整えるべきだと訴えている。同時に、病院に避難している人びとを対象に、簡易的な給排水・衛生活動を行っている。

MSFのプロジェクト・コーディネーターを務めるカルロス・フランシスコによると、病院に避難してきている人びとの多くは、滞在していた避難キャンプ内での仮設住居の再建ができていないという。「MSFは緊急対応として病院の敷地内での給排水・衛生体制を強化しています。ただ、人びとが避難キャンプに戻れるように一刻も早く条件を整えていくことが必要です」

「人びとは無力感に覆われています」

病院敷地内の避難者は、日中は外出し、夜は寝泊りしに帰ってきている。ただ、病院さえも安全な場所とはいえない。バンガッスーやゼミオといった地域では、直近の数週間だけでも数軒の病院が武装勢力による不法侵入を受けている。

バンガッスーでは、武装兵が患者2人を護送していたはずが、後日、遺体で見つかった。ゼミオでは、武装兵が母親に抱かれていた子どもを銃殺した。MSFはこうした事件を非難する。

フランシスコは「人びとは無力感に覆われています」と指摘。「病院でさえ安全とはいいきれないと知りつつも、病院に避難するしかないと考えている人びとの状況を想像してみてください」と訴える。

避難者数、国内外で計90万人に

各陣営の指導者は衝突の再発防止で合意したと主張しているものの、バタンガフォの雰囲気は現在も緊迫している。

中央アフリカでは2013年末に始まった紛争が2016年11月に再燃し、悪化の一途をたどっている。直近の数ヵ月間だけでも18万人以上が自宅から避難した。推定人口が450万人の国で、国内の避難者は40万以上、国外には約50万人が避難しているとみられている。

MSFは、1996年から継続的に活動している。現地採用スタッフが2400人、外国人派遣スタッフが230人の体制で、約20のプログラムを運営している。主な活動内容は、小児医療、定期予防接種、母子医療、外科治療、HIV感染の予防・治療、結核治療など。

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