南スーダン:マラリア流行のピーク近づき、対応を強化

2017年07月14日掲載

マラリアの治療を受けている患者(2015年10月撮影) マラリアの治療を受けている患者
(2015年10月撮影)

雨期の南スーダンでマラリアの流行がピークに近づいている。南スーダンでは主な死因となっている病気で、特に子どもの感染リスクが高い。国境なき医師団(MSF)は2016年、30万件以上の治療を行った。このうち25万件はピーク期の3ヵ月に集中していた。

現在、MSFはアウェイルで子どもを対象とした治療の準備を進めている。受け入れは数千人規模を想定している。MSFが小児科と産科病棟を運営しているアウェイル病院では小児用ベッドを20床追加した。また、薬局の在庫の補充や、重症者が一斉に来院するケースに備えた病院スタッフへの研修を行った。

ただ、昨年のピーク期にはアウェイルだけで5500人の重症者を受け入れたことから、こうした準備だけでもまだ足りないかもしれない。

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検査・治療に必要な医療物資が不足

MSFのプロジェクト・コーディネーターを務めるアリーン・セリンによると、ピーク期の病院はマラリアと合併症の患者で大混雑になるという。「アウェイルの診療所の多くが、マラリアの検査や治療に使う医薬品を確保できていないことが心配です。早期発見・治療がかなわなければ、重症マラリアの発現リスクが高まり、命にかかわる事態となります」

例えば、アウェイル・センター郡にある1次医療施設からは、准医師を通じてMSFに、重症マラリア患者の容体安定化に必要な医薬品や物資が不足しているとの声が届いている。

病院までの長距離移動が障害に

各地域で1次医療を提供することが重要で、それによって命を救える可能性が高まる。しかし、多くの住民は、簡単な治療を受ける場合でも医療施設まで長距離を移動しなければならない。

もし子どもがマラリアになったとしても、地域の医療施設に薬がなければ、長距離移動を決意する前に容体が回復することを願って様子を見る親も出てくることだろう。雨期は農作業の時期でもある。食糧の確保に四苦八苦している親たちにとって、農作業をおいて通院に何日もかけることは、簡単な決断ではない。

セリンは「マラリアの基本的な治療さえも受けられず、命を落とす人びとが相次いでいます」と指摘する。

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