ウガンダ: わずか数日で病気の流行地域に?

2017年05月24日掲載

食事の支度をする難民の女性 食事の支度をする難民の女性

「男でも女でも子どもでも関係なく、見境なしに虐殺されています。私も兄弟姉妹や親類をすべて亡くしました。難民居住地の生活は本当に厳しいです。誰も助けてくれず、男手もないのです」と話すマリアさん(仮名)。南スーダンからウガンダへ避難した数十万人の難民の1人だ。

南スーダンでは2016年7月に紛争が再燃した。以降、63万人以上がウガンダに逃れている。数千人規模の避難者が毎週のように到着した結果、すでに難民登録を受けている人と登録希望者は合計90万人以上に達している。

ウガンダは現在、アフリカ大陸で最も多くの難民を受け入れている国だ。受け入れ総数は、2016年にヨーロッパ全体で受け入れた総数を上回っている。

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進歩的な難民政策でも限界!

新たに避難してきた人びとの健康状態は比較的良好だ。ただ、故郷や避難の途中で過酷な暴力を体験している。一方、ウガンダの進歩的な難民政策は限界に近づいており、難民収容センターの環境が悪化している。

ウガンダでMSFの活動責任者を務めるジャン=リュック・アングラードは「大規模な人道的対応が続けられているにも関わらず、充分とは言えない状況です。水、食糧、仮設住居が不足しています」と話す。新たに到着した人びとの多くは木の下で野宿するしかなく、食糧の配給や飲料水が不足している事情もあり、紛争が激化している南スーダンに帰還する人さえ出始めている。

新着者の85%は女性と子どもだ。性暴力被害が全国で報じられるなど社会問題化しているにもかかわらず、女性と子どもに特に配慮した保護活動を行っている団体は極めて少ない。アングラードは「避難者の到着が収まる兆しはなく、長期的に人道援助を続ける努力が必要です」と指摘する。

次から次に問題が……

ナイル川での取水の様子 ナイル川での取水の様子

MSFは2016年7月以降、ウガンダ国内の人道危機への対応も続けている。北西部の4ヵ所の難民居住地、すなわちビディ・ビディ、インヴェピ、パロリンヤ、リノで、入院および外来診療、母子保健・産科医療、栄養治療、地域の健康調査、給排水・衛生活動を提供している。

清潔な水の確保は難民居住地の最大の課題だ。パロリンヤでは、ナイル川で取水して浄水処理した水を1日あたり平均200万リットル供給している。これは10万人以上の必要量に相当する。特にパロリンヤでは、4月だけでも5251万9000リットル供給した。

ただ、パロリンヤでMSFのプロジェクト・コーディネーターを務めるケーシー・オコナーは「次から次に問題が持ち上がります」と嘆く。

「MSFは1日に数百万リットルの水を浄水処理する能力を有していますが、浄水を難民居住地内の貯水タンクに輸送する必要があります。キャンプは150km2から200km2と広大な規模ですし、豪雨になると道路が通行不能になります。そのため数万人が水なしで何日も過ごす事態が起きています。清潔な水がなければ、病原菌だらけの汚水を使うしかありません。その結果、キャンプ全体の健康状態が一気に悪化し、わずか数日で病気の流行地域となってしまう恐れがあるのです」

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