イエメン: コレラ患者が急増――内戦で対応難しく

2017年05月11日掲載

MSFは5ヵ所に専門治療センターを設置した MSFは5ヵ所に専門治療センターを設置した

イエメンのアムラン、ハッジャ、アッダリ、タイズ、イッブの5県でコレラと急性水溶性下痢症が流行し、国境なき医師団(MSF)が緊急対応にあたっている。特に直近2週間で急増しており、2017年3月30日以降の症例数合計は780件を超えた。

MSFは患者の隔離と治療のため、5ヵ所の病院に専門治療センターを設置。その他の保健当局所管の施設も支援している。

4月末~5月9日には、アッダリ県アル・ナスル病院とアル・サラム・プライマリ・ヘルスケア・センターのMSFチームは合計276人を治療した。

ハッジャ県アブス病院でも3月30日以降に263人を治療しており、このうち168人は直近5月9日までの2週間以内に集中している。アムラン県アル・サラム病院、イッブ県ジ・アッスーファル地方総合病院、タイズ県フーバン地区の母子病院でも多数の患者を受け入れている。

イエメン保健省は首都サヌアでも310の症例があると報告している。

イエメンは2015年3月から内戦が続いており、多くの病院が業務を停止している。その影響は何百万にも及んでいる。さらに、運営費と人件費の不足により、2016年9月を境として相当数の保健医療施設が機能を失った。イエメンの保健システムの弱体化は深刻で、行政単独ではコレラ流行に対応できない恐れがある。

イエメンでMSF活動責任者を務める村田慎二郎は「何十キロも離れた地区からも患者が運ばれてきます。コレラ流行が拡大し、感染制御が不可能になるのではないかと強く懸念しています。流行地域で速やかに医療援助を届けるため、医療者と関係各局の円滑な協力が求められます。感染制御と監視のために、人道援助を強化することも急務です」と指摘する。

MSFはイエメンで、11県で合計13ヵ所の病院を運営し、25ヵ所以上の病院を支援している。

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