南スーダン: 急性栄養失調の子どもたちが急増――紛争続き深刻化

2017年02月22日掲載

MSFの移動診療を受けにきた母子 子どもは栄養失調になっていた MSFの移動診療を受けにきた母子
子どもは栄養失調になっていた

南スーダンではマイエンディト郡とレール郡を中心に紛争が長期化し、住民に大きな影響を与えている。何度も避難を繰り返していることに加え、食糧、水、医療など生きていくために欠かせないものを確保することに必死の日々だ。直近の数週間で、国境なき医師団(MSF)は子どもたちの間で重度栄養失調が広がっていることを確認しており、緊急対応を開始した。

MSFは2017年1月、マイエンディト郡北部のダブルアルとミルニャルの両地域で、栄養失調が深刻なレベルに達していることを確認した。MSFの診療所に来院した5歳未満の子どものうち、急性で中程度~重度の栄養失調患者は約25%に上った。急性で重度の栄養失調に限っても、最大で8.1%に達していた。MSFは2月第3週から、移動診療に栄養治療も含める対応をとった。

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銃弾が飛び交う中、1歳の双子と4歳を連れて

避難している人びとの移動にあわせMSFも活動を調整している 避難している人びとの移動にあわせ
MSFも活動を調整している

MSFの活動地は現在、緊迫した情勢にある。病院を新たに開院することは不可能で、他の医療機関へ患者を紹介することさえも難しくなっている。患者の移送は患者とスタッフの両方を危険にさらすことになるからだ。住民が避難を繰り返して常に居場所を変えている状況で、医療を提供することがさらに難しくなっている。

ニャヨラさんは1歳の双子を連れてMSF診療所に来院した。2人とも栄養失調だった。2016年10月から11月にかけて3度も、村から逃げてブッシュに避難したのだという。

「兵士の車や戦車の音を聞き分けられるんです。音がすると、とりあえずそばにある物をつかんで逃げました。兵士は逃げる私たちに発砲し、家に押し入って略奪しました。私は双子を両腕に抱え、4歳の娘を連れて走って逃げました。撃たれて倒れる人、走るのにじゃまになる持ち物を捨てる人を何人も見かけました。私たち母子はブッシュに隠れ、そこで夜を待ち、兵士がいなくなってから家に帰りました。襲撃のたびに、家にあったものは減っていきました。飼っていた牛、ヤギ、ニワトリはいなくなり、作物は奪われ、最後は家の中のものが略奪され、家屋が焼かれました」

ニャヨラさん一家はこの事件の数週間後、自宅をあきらめ、17時間の道のりを経て、湿地帯にある小島に避難した。その避難場所で、持ち出すことができたわずかな食糧と沼の水で生き延びた。

食糧入手がさらに難しくなる可能性

ペセルは「避難した人びとは常に移動しています。暴力を避け、安全な生活の場や生活必需品を求めているためです。例えば、もし彼らが食糧の配給のうわさを聞きつけたら、みなそこへ向かうでしょう。そういう状況ですから、MSFは常に、避難者の移動にあわせて医療活動を調整しています」と話す。

ペセルはこれから数ヵ月の見通しは厳しいと感じている。現地は乾期で、食糧入手がさらに難しくなる可能性が高いためだ。「安全に生活できる場所、清潔な飲料水、食糧、避難所、そして医療が手に入らなければ、この深刻な危機が改善する見込みは薄いでしょう」

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