タンザニア:難民キャンプが満員!緊急援助の拡大が急務に

2016年11月25日掲載

難民キャンプでの滞在許可をもらうために並ぶ人びと 難民キャンプでの滞在許可をもらうために並ぶ人びと

タンザニア国内に設置されている難民キャンプが飽和状態で、危機的な状況が生まれている。例えば、ブルンジからの到着は4ヵ月間で約5倍に増加した。タンザニア国内の難民総数は二十数万人に上り、その出身国の多くをブルンジコンゴ民主共和国が占める。

難民の25%近くは、過密化した3ヵ所の難民キャンプで身を寄せ合っている。入国は今も続いているが、新たな受け入れ場所を巡る議論は進んでいない。

国境なき医師団(MSF)の活動責任者であるデイヴィッド・ナッシュは「キャンプ内の難民の合計は2016年末までに28万人を超えると見られ、アフリカで最大規模の危機になりつつあります」と警鐘を鳴らす。

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広がらない国際支援

食糧援助を担当するWFPの配給に集まる人びと 食糧援助を担当するWFPの配給に集まる人びと

MSFは2016年5月の時点ですでに警鐘を鳴らしていたが、国際支援の輪はほとんど広がっていない。新規難民を受け入れてきたンドゥタ・キャンプは既に満員だ。ブルンジから月平均1万人もの難民が入国しているほか、10月にはコンゴ民主共和国から850人が到着した。

「難民数の急増に人道的対応が追いついていません。特に住居、水、衛生が課題です。ブルンジの混乱が静まる気配もありません。タンザニアに逃れてきた難民への人道援助活動について、国際的な後押しが速やかに拡大されるかどうかが重要です」(デイヴィッド・ナッシュ)

国際支援の一環の食糧配給は、過去数ヵ月、資金不足による規模縮小の危機に直面していた。国連世界食糧計画(WFP)は10月に1度、1日あたりの推奨栄養摂取量ベースで60%までの配給削減を発表した。施行直前で寄付が入り、この施策を回避した経緯がある。しかし、難民数の増加に伴い、近い将来の新たな緊縮策への懸念が強まっている。

マラリア対策を急げ

マラリア対策に欠かせない蚊帳をつる人びと マラリア対策に欠かせない蚊帳をつる人びと

タンザニア西部ではマラリアが風土病となっている。難民となった人びとはマラリアに対して極めて無防備だ。ンドゥタ・キャンプでは新規難民が1戸あたり最大200人という過密状態の中で共同生活しており、感染リスクはいっそう高い。現在は、キャンプ到着後、数日以内に共同テントから世帯用テントに転入する手続きになっている。しかし、膨大な到着数に対し、今後も十分な住居が確保される保証はない。

「雨期が近く、マラリア患者の激増も予想されます。2015年のニャルグスのように、蚊の繁殖地となるよどんだ水があちこちにあります。過密で不衛生な生活環境は蚊の発生を助長してしまいます。避難のための移動で衰弱した妊婦と子どもは特に危険でしょう」(デイヴィッド・ナッシュ)

2016年1月~8月の間、MSFがニャルグスとンドゥタの2ヵ所で治療した合計7万2644件のマラリア症例の多くが合併症を伴うものだった。流行ピークの季節を前に、MSFチームは再び多数の患者への対応を準備している。

さらに、国際支援の拡大も引き続き呼びかけている。「国境の開放を維持し、この危機に対応しているタンザニア政府だけに責任を背負わせてはなりません。援助の速やかな拡大が求められます」(デイヴィッド・ナッシュ)

ブルンジからの難民の一斉入国が始まったのは2015年5月。それ以前に、コンゴ民主共和国からの難民約6万人が滞在していたニャルグス難民キャンプで受け入れることになり、キャンプ内は瞬く間に過密化した。2015年10月にはンドゥタ、翌2016年1月にはムテンデリにキャンプを新設したものの、さらに増え続ける難民の新たな受け入れ場所はまだ定まっていない。

MSFは危機の当初から医療・人道援助を展開。ニャルグスとンドゥタの2ヵ所にチームを派遣している。ニャルグスでは、救急処置施設(60床)とマラリア診療所を3軒運営。心理ケアや1日あたり18万リットルの水を提供。ンドゥタでは、主要な医療提供者として病院(110床)と小規模医療施設を4軒運営するほか、心理ケアの提供も行っている。

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