熊本地震:南阿蘇村での活動を終了――地域医療の復旧で

2016年05月06日掲載

熊本地震の被災地の1つである南阿蘇村で緊急医療援助を行っていた国境なき医師団(MSF)のチームは、地域医療で被災者の医療ニーズに対応できる段階まで復旧したと判断し、2016年5月4日をもって活動を終了した。MSFが現地で行っていた活動は行政・地域医療者に引き継いだ。

MSFの診療件数は182件――白水地区・仮設診療所

診療所で問診を行うMSFの看護師 (南阿蘇村白水地区) 診療所で問診を行うMSFの看護師
(南阿蘇村白水地区)

MSFは村内の白水地区の仮設診療所を拠点に、所内での診察と周辺地域への移動診療を実施。診療所での診療件数は182件(5月1日時点)で、主な症例は上気道感染症(21%)、胃腸炎(7%)、外傷(7%)だった。また、慢性疾患への対応、薬の処方、心理ケア、車中泊を続けている避難者にエコノミークラス症候群の予防方法を伝える活動なども行った。

南阿蘇村の地域医療の復旧についての協議も進められ、熊本県、南阿蘇村など各自治体、日本医師会などの医療組織、災害対策委員会と医療援助団体との間で下記の合意がなされた。

  • 村内で被災状況が深刻な長陽地区で活動している日本赤十字社を除き、各医療援助団体はチームを縮小し、5月16日に全面終了とする。
  • 長陽地区には1~2軒の仮設診療所を維持する。
  • 心理ケアは継続が求められる。アルコール依存症の予防、犠牲者の遺族、スタッフなど対象はさまざまで、具体的な計画をこれから策定する。

地域の保健医療体制はほぼ復旧しており、熊本県からも複数のチームが派遣されている。そのため、MSFは活動を地域に引き継ぎ、速やかに撤収した。

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