ギリシャ:MSF、マケドニア国境に一時滞在キャンプを設置

2015年09月30日掲載

足の激痛でMSFの診療所に搬送される男性 足の激痛でMSFの診療所に搬送される男性

ギリシャとマケドニア旧ユーゴスラビア共和国との国境近くに位置するイドメニ村。ここに連日、大勢の人びとが押し寄せている。中東やアフリカから陸路や海路を経て欧州にたどり着き、安全な生活を求めて北上している難民・移民たちだ。

十分な水や食料もない状況で、野宿を続けながら移動している人びとに、国境なき医師団(MSF)は医療・人道援助を提供している。現在、イドメニ村付近で一時滞在キャンプ(収容数1000人)の設置が進められており、MSFのロジスティシャン・チームも協力している。

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テント病院、トイレ、給水ポイントも

MSFロジスティシャン・チームによって設置が進められているテント病院 MSFロジスティシャン・チームによって設置が
進められているテント病院

MSFはキャンプ内に、床面積240m2の大型テント4張と、床面積45m2のテント2張を設置して医療活動を行う予定だ。キャンプ内にはトイレなどの基礎的な衛生施設が設置され、給水も行われる予定だ。

イドメニ村は規模が小さく、来訪者の受け入れ能力は限られている。そのため、滞在している人びとの生活環境は劣悪だ。林や鉄道の駅で野宿し、食料はとぼしく、トイレやシャワーなども利用できない。冬が近づきつつあり、状況がさらに厳しくなると予想される。国境を越えて行く人びとは急増しており、多い日には5000人がマケドニア側へと移動している。

イドメニ村でMSFのプログラム責任者を務めるアントニス・リガスは「一時滞在キャンプを設置するために、当局と何ヵ月も調整・交渉を続けてきました。欧州では国境を閉鎖する国がでてきています。その流れがマケドニアにも波及するのではないかと懸念しています。一時滞在キャンプの設置で、足止めされた人びとの滞在環境の改善は一歩前進です」と話す。

「国境閉鎖では解決にならない」

国境通過を目指す人びとの中には大勢の子どもたちも含まれている 国境通過を目指す人びとの中には
大勢の子どもたちも含まれている

マケドニアは2015年8月21日に一度、ギリシャとの国境を閉鎖している。このとき、イドメニ村では3000人以上が国境警備隊によって国境通過を阻まれ、大混乱が起きた。通過できなかった人びとは、宿泊所も衛生設備も食糧もないまま、何日も足止めされた。

MSFで移民の人道問題顧問を務めるオレリー・ポンテューは「8月の大混乱は、国境閉鎖という極端な措置をとったことが原因でした。国境閉鎖や強制排除は解決にならず、人道危機を引き起こすだけです」と指摘する。

MSFは2015年4月以降、マケドニアとギリシャのイドメニ村で心理ケアを含む診療と救援物資を提供している。4月3日から8月31日で、1次医療を4060人に提供し、53人を地域の病院に搬送した。心理ケアの個別もしくはグループ・セッションには3906人が参加した。チームはこのほか衛生用品を7918組配布した。内容は衛生用品、栄養補助食、毛布と靴下などだった。

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