フランス:MSF、 行き場のない難民への医療・人道援助を開始

2015年09月25日掲載

ジャングルのゴミを片付けるMSFスタッフ "ジャングル"のゴミを片付けるMSFスタッフ

フランス北部の交通の要所、カレー。その近郊に"ジャングル"がある。ゴミ処分場だったこの地域に、3500人の難民が生活している。地元のNPOなどによる慈善活動は行われているものの、悲惨な状況は悪化の一途をたどっている。

この辺りは起伏に富んだ砂地だ。雨の被害が大きく、1週間のうちに"ジャングル"の4分の1が洪水になったこともある。雨の多い冬場は特に生活に適さない。しかし、人びとは小さなテントや、ダンボールと流木とビニールシートで建てた小屋などでしのいでいる。

国境なき医師団(MSF)のプログラム・コーディネーターを務めるピエール・パスカル・ヴァンディーニは「ここは黙認された"スラム"で、難民となった人びとの袋小路です」と指摘する。

フランス政府の保護を期待している人、英国への渡航を希望している人、いずれにしても誰もが疲れきっていて、途方に暮れている。「ある少年(17歳)はここに来る前、南スーダンで難民生活を送っていました。その彼でも、フランスの"ジャングル"ほど不潔で不健康な環境にいたことはない、と言うのです」

"ジャングル"では、NGO「世界の医療団(MDM)」が2015年6月から、現地で移動診療を続けてきた。MSFは9月10日に活動を開始し、医師と看護師各1名がMDMの診療をサポートしている。キャンプ周辺が洪水被害に遭っていることから、MSFは施設の修繕を行いつつ、診療所にもっと適した場所を探している。

"ジャングル"のすぐ外には大型ゴミ収集容器が3台設置されているが、不便な場所に設置されているため管理が行き届いておらず、辺りにゴミ袋が散乱している。MSFは清掃キャンペーンを開始してゴミを回収し、各地域に廃棄物収集・管理体制を構築する計画も立てている。

ヴァンディーニは「MSFが援助活動を続けているアフリカや中東などの地域と比べても、"ジャングル"の状況は衝撃的です。人びとは孤立し、無法地帯で、給水や衛生設備も不足しています。その管理者もいないのです。ここは組織的に用意された"うば捨て山"になってしまっています」

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