タンザニア:コレラの集団予防接種を完了

2015年08月04日掲載

コレラ予防の経口ワクチン接種を受ける子ども コレラ予防の経口ワクチン接種を受ける子ども

タンザニアのニャルグス難民キャンプで、国境なき医師団(MSF)は2015年6月から行ってきたコレラの集団予防接種を完了した。キャンプにはブルンジとコンゴ民主共和国からの難民が滞在しており、極めて不安定な環境で生活している。コレラの予防接種は終えたものの、キャンプ内の衛生改善は引き続き急務となっている。

今回の集団予防接種は、タンザニア保健省、世界保健機関(WHO)、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)との協力のもとに行われた。第1回は6月に実施し、10万7000人(当時のキャンプ人口の92%)が接種を受けた。さらに、続いて行われた2回目では13万人以上が予防接種を受けた。

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難民の到着続き、さらなる集団予防接種を検討

集団予防接種の順番を待つ人びと 集団予防接種の順番を待つ人びと

ただ、ブルンジで大統領選挙に伴う情勢不安が続いたことから、新たに数万人が国境を越えてニャルグス難民キャンプへと逃れてきている。UNHCRによると、第1回の集団予防接種のあとに到着した人びとは約2万人に上るという。そのため、近いうちに再び集団予防接種を実施する予定だ。

経口コレラワクチンの接種は2回受ける必要があるものの、高い予防効果が得られる。予防接種に加えて、他の予防策・感染制御策も行うことが望ましいのだが、そのために必要な物資の不足が深刻だ。MSFの緊急対応コーディネーターを務めるシータ・カシオップは「コレラの流行リスクを減らすためには、キャンプの衛生状態の改善が急務です」と指摘する。

衛生環境の改善が急務

ニャルグスの人口はこの3ヵ月で2倍以上になっている。ブルンジからの難民が約8万2000人と、20年近くこのキャンプに滞在しているコンゴ民主共和国からの難民が6万4000人。特に、大勢のブルンジ人が短期間に到着したことから、MSFを含む人道援助団体は水、食糧、住居の確保に奮闘を続けている。

カシオップは「キャンプ内はほこりっぽく、人口密度が高い状態です。今の季節でも夜は冷えます。水は何時間も並ばなければ手に入りません。MSFが診療している中ではマラリアが最も多いのですが、下痢や呼吸器感染も多くみられます。これは劣悪な衛生状態が原因です。こうした生活環境では病気の流行が起きる可能性があります。雨期で状況がさらに悪化する恐れもあります。住居用テントの多くは冠水しやすい地域に設置されているからです」と懸念する。

MSFは医療援助に加え、給水体制を構築し、キャンプ内の5ヵ所で毎日計28万リットル以上を供給している。しかし、衛生面では手が回っていないこともある。カシオップは「MSFは人びとに手洗いの必要性について説明を続けています。ところが、到着してからまだも石けんが手に入らない人もいます。MSFとしても石けんの配布を検討していますが、できれば他団体にそれを担当してもらい、MSFは医療援助に専念できる体制が望ましいと思っています」と話す。

MSFはニャルグス・キャンプで2015年5月に活動を開始し、タンザニア赤十字社と協力して2ヵ所の診療所で活動している。また、集中栄養治療センターの体制を強化し、重度栄養失調児の治療にもあたっている。集団予防接種の会場で5歳未満の子ども全員の栄養状態を調査し、治療が必要と判断した子どもたちをセンターに入院させている。

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