コンゴ民主共和国: はしか流行で緊急対応——MSF、集団予防接種を実施

2015年07月01日掲載

MSFの予防接種を受ける女の子(ブニャキリ) MSFの予防接種を受ける女の子(ブニャキリ)

コンゴ民主共和国の東部に位置する南キブ州で、国境なき医師団(MSF)緊急対応チームが、生後半年から15歳までの子どもを対象としたはしかの集団予防接種を行った。これに先立ち、保健管轄局は、同州のブニャキリ地域ではしかの確定症例が複数記録されたことからはしかの流行宣言を出した。

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地域と協力、子どもの75%以上が接種完了

MSFの集団予防接種会場 MSFの集団予防接種会場

今回は、MSFスタッフ、保健省スタッフ、地域の住民など計150人以上が携わり、ブニャキリの保健地区ごとに計10班を編成。大規模な接種活動が展開された。道が非常に険しく、乗り物ではたどり着けないトゥシュングティも対象地域とした。できるだけ大勢の子どもが接種を受けられるように、スタッフが各村落で戸別訪問を行った。

集団予防接種の期間は5月24日から6月5日まで。MSFの推計では、対象とした子どもたちの75%以上が接種を完了した。娘のルモーちゃん(1歳半)の手を引き、ブデンゲの接種会場を訪れたファイダさんは「私も幼いころに接種を受けました。子どもにとってとても大切なことですね」と話す。

予防接種の実施方法には、定期接種と集団接種の2パターンがある。2012年末にはしかが流行した際は、ブニャキリの子ども700人が感染し、集団接種が展開される事態となった。MSFは住民の定期接種をうながす活動を重ねてきたが、流行を防げる水準には至っていない。例えば、2014年12月には、ブニャキリに近いミノバで、15歳以下の子ども9万人が集団で予防接種を受けている。

なぜ、はしかの予防接種が重要なのか?

MSFによるはしかの予防接種で症例数が20%減少した MSFによるはしかの予防接種で症例数が20%減少した

子どもがはしかに感染した場合、治療しなければ命が脅かされることもある。一方、ワクチンで簡単に予防できる病気でもある。

はしかは感染力が極めて強く、肺炎、栄養失調、重度の脱水症、目や耳の感染症のなどの合併症を伴うことがある。目の感染症では失明の恐れもある。致死率は状況によって大きく異なるものの、予防接種を受けていない集団では、子どもの感染者の致死率は1%~15%に達することもある。

コンゴ民主共和国では数十年にわたってはしかが流行しており、2010年以降に勢力が再び強くなった。MSFの疫学研究機関「エピセンター」の調査によると、2010年~2013年までに国内で記録されたはしかの症例は約30万件で、5000人(患者全体の1.7%)以上が亡くなっている。一方、MSFの集団予防接種が始まってからは、症例数が20%以上減少した。

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