アフガニスタン: 戦闘激化で負傷者増、病院への搬送も困難に

2015年06月26日掲載

戦闘激化で被害に遭う子どもが増えている(2015年3月撮影) 戦闘激化で被害に遭う子どもが増えている
(2015年3月撮影)

アフガニスタン北東部に位置するクンドゥーズ州で治安部隊と反政府武装勢力の間で激しい紛争が起き、クンドゥーズ市内にある国境なき医師団(MSF)の外傷センターに搬送されてくる負傷者数が急増している。2015年6月20日から23日だけで、戦闘の影響で負傷した患者77人を治療した。そのうち3分の1は子どもと女性だった。

負傷者の大半は、クンドゥーズ市から約10km離れたチャルダラ地区から搬送されて来ている。この地区では6月20日に戦闘が始まった。負傷の原因の多くは爆撃か銃撃で、腹部、四肢、頭部の症例が多い。6月24日以降は戦闘がやや減っているが、緊迫した情勢が続いている。

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「春の攻勢」の影響続く

アフガニスタン北部におけるMSFの副活動責任者を務めるヘマン・ナガラスナムは「民間人は4日間の激戦に巻き込まれています。6月22日には、チャルダラ地区内の村から子ども3人と女性3人が、MSFの外傷センターに運ばれてきました。自宅に爆弾が命中し、負傷したのです」と証言する。

クンドゥーズ州では2014年から戦闘が大幅に増加している。今回の戦闘も、反政府側が「春の攻勢」とする作戦の一環で5月に起きた戦闘に続くものだ。直近の3週間だけでも、MSFが治療した負傷者は204人にのぼる。

市内の病院にたどり着けない

長引く情勢不安で、チャルダラ地区からクンドゥーズ市への交通は極度に難しくなっている。特に夜間の移動は深刻な影響を受けている。激しい戦闘に巻き込まれたり、地雷を踏んだり、いくつもの検問所で足止めを受けたりする場合があるからだ。

ナガラスナムは「外傷センターにたどり着いた患者は治療できています。しかし、市内に入れず治療が間に合わない人びとのことが非常に心配です。今のところ、MSFの外傷センターは、アフガニスタン北東部全域で救命外科医療や四肢温存手術などの外傷治療ができる唯一の施設です。負傷した人は危険を冒してでも外傷センターまでくるしかない状況なのです」と話す。

勉強中に被弾した子どもたち、住民が懸命の搬送

6月22日夜、8歳から18歳の計10人が外傷センターに運ばれてきた。モスクで勉強していたところ、砲弾が建物に命中したのだ。搬送してきた住民によると、当時は約30人がモスクで勉強していた。ただ、市内に入ることが非常に難しいため、重傷の10人を運んできたのだという。

住民たちは、車で30分の道のりを2時間かけてやってきた。途中までは車で来たが、地雷が敷設された道路にさしかかったため順路を変更し、最後は子どもたちをかついで歩いた。クンドゥーズ川から船に乗ったところ、戦闘員に間違えられて銃撃を受けるなどの困難を重ね、ようやく市内にたどり着いた。そこで車を呼びとめ、外傷センターまで運んでもらったのだという。

こうした状況を踏まえ、MSFは医療を受けやすくする対策を講じている。6月23日にはチャルダラ地区内に容態安定化ステーションを開設。看護師が応急措置をし、患者が移送に耐えられるようにしてから市内へと移送する。

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