コロンビア:ナリーニョ県での武力衝突により、新たな避難民が発生

2009年10月30日掲載

コロンビア南西部のナリーニョ県は、戦略的に重要な意味を持つ場所で、コカノキが栽培されて経済的利益も大きいことから、さまざまな武装グループが支配地域の拡大を狙って戦闘を継続、各地で武力衝突が激化している。公式発表によれば、同県では今年の初めから9月末までに、1万2400人が避難を余儀なくされ、その規模は政府の対応能力を超えている。避難民の大部分は到着直後の数日間、全くと言っていいほど医療を受けていない。国境なき医師団(MSF)は、避難民の医療機会の拡大を呼びかけている。

ナリーニョ県では今年6月以来、8回にわたって住民が大規模な避難を余儀なくされており、MSFはその影響を受けた人びとに医療を提供している。安全を求めて農村地帯から近くの町へ逃れた住民の数は、約4000人にのぼる。「武装勢力間の継続的な戦闘を逃れてきた避難民に、私たちは医療を提供しています」と、コロンビアのMSF活動責任者、ダビッド・カンテロは話す。

最近、大規模な住民の移動があったのは10月14日で、234家族以上、1000人近くの人びとがオラヤ・エレラ行政区内の農村地帯を逃れ、同行政区中心部から30分の学校の建物に避難した。飲み水はなく、行政当局は最初の3日間わずかな食糧を提供するのがやっとだった。

MSFはコロンビア南西部における武力衝突からの避難民に医療を提供している MSFはコロンビア南西部における武力衝突からの
避難民に医療を提供している

「こうした状況は繰り返し発生しており、あらゆる面で当局の対応能力を完全に超えています。その結果、こうした避難民が到着した時点で医療を提供できるのは、私たちMSFだけになっています」
ナリーニョ県のMSF活動責任者、ヒメナ・ディ・ロリョは、こう説明する。

紛争の影響を受けた人びとは、住む場所や生活手段を村に残したまま避難せざるを得ない。同じ共同体の住民が命を落とすのを目撃するなど、悲劇的な状況を経験することも多い。さらに、臨時の避難所に着いても、衛生管理は不十分で、時として食糧やきれいな飲み水にも事欠きながら、過密状態の生活に耐えることを余儀なくされる。

「とりわけ、家を離れて避難した最初の数日間、人びとには非常に多くものが必要です。食糧、水、衛生管理のほか、援助活動を行う過程で心の健康に対する支援が必要であることも確認されています」と、ディ・ロリョ医師は話す。

MSFは1985年からコロンビアにおいて、紛争によって影響を受けたり、治療を受けられない地域の住民に対して、基礎医療と心理ケア、またリプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)ケアを提供している。13の県で370人が活動に従事しており、その範囲は地方から都市、常設医療所から移動診療に至る。また、必要な場合には、病気の流行や自然災害にも対応する。

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