グアテマラ:MSF、コアテペーケでのHIV/エイズ患者治療を保健省へ移管 -ARV薬の継続的供給の確保に向けて監視を行う-

2007年02月16日掲載

国境なき医師団(MSF)は、グアテマラのコアテペーケ市で4年間にわたりHIV/エイズ患者の治療を行った後、2006年12月下旬にその責任を同国の公共保健機関へ移管した。MSFは移管の準備を1年以上かけて進めていた。移管は段階的に行われ、グアテマラの責任機関が患者のケアを継続的に行える態勢を整えた時点で完了した。MSFはプエルト・バリオスとグアテマラシティにおいてはHIV/エイズ患者の治療を引き続き行う。

グアテマラにおけるMSFの医療コーディネーター、マーカス・ルティ医師は語る。「MSFにとって、今回の保健当局への責任の移管は非常に好ましい兆候です。コアテペーケ病院の医療スタッフは現在、確実に増えつつある患者に対して適切な治療を行うのに十分な技術的能力を備えています。治療計画もよく理解しており、抗レトロウイルス(ARV)薬の継続的な供給についても私たちはかなり楽観視しています。グアテマラ保健省が2009年末までARV薬を供給できるよう、世界エイズ・結核・マラリア・対策基金(世界基金)が支援を約束しているためです。」

コアテペーケ病院の管理部門はこの計画を積極的に支援しており、MSFは2007年9月の選挙がこの計画に変更を加えないことを望んでいる。計画を推進するためさまざまな措置が講じられているが、MSFは特に医薬品の供給面において、状況を注意深く監視してゆく。また今後数ヵ月の間に医薬品が不足した場合には、患者を直接援助する準備も整えている。さらに国家のHIV/エイズ治療プログラム用の医薬品の供給管理面では、技術支援を継続して行う。発注や供給の管理に不手際が生じて医薬品の確保に遅れが生じる、あるいは世界基金からの支援金の支払いに遅れが生じることによりさまざまな問題が発生することも依然考えられる。そのためMSFは2007年半ばまで医療品の在庫を現地に保持し、不測の事態に備えることにしている。

2006年末の時点で、コアテペーケ病院に統合される前のMSF診療所でARV治療を受けた患者は781人にのぼる。このプログラムが受け入れる新規患者は1ヵ月あたり平均48人、そのうち27人は緊急にARV治療を必要とする患者である。これらの患者はコアテペーケ市から遠く離れた地域から診療所に来ることが多い。

ジュネーブを拠点にグアテマラにおけるMSFの医療活動を管理するフランク・ドゥナー医師は語る。「コアテペーケでの治療プログラムの移管は好ましい出来事ですが、HIV/エイズ治療の取り組みの進展が国家レベルでは依然限られているという事実を隠してはなりません。この2年間、グアテマラ政府はHIV/エイズの治療予算を増額していません。国内にHIV/エイズ患者を治療することができる医療拠点は5ヵ所しかありません。首都グアテマラシティではルーズベルト病院とサンフアン・デ・ディオス病院の2ヵ所、ケツァルテナンゴに1ヵ所、プエルト・バリオスに1ヵ所、それにコアテペーケ病院です。治療を必要とする患者はこれらの病院まで赴かねばならず、そのためには多くの時間と費用がかかります。コアテペーケには専門医がいるかもしれませんが、多数のHIV/エイズ患者の治療に取り組むという政治的意思においては依然大きく立ち遅れています。」

MSFは1998年からグアテマラで活動している。内戦の犠牲者の治療を行い、続いて都市部において社会から取り残された人びとの援助に取り組んだ後、2000年にHIV/エイズ患者のための治療プログラムを段階的に開始した。MSFは現在、この国の深刻な現実を反映する暴力の犠牲者に対する治療も行っている。また、グアテマラの一部地域における風土病となっている寄生虫性の病気、シャーガス病の患者の治療にもあたっている。

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