MSF、世界基金とグアテマラ政府により広範なHIV/エイズ治療と薬価引き下げへの対応を求める

2006年11月08日掲載

国境なき医師団(MSF)はグアテマラシティで開催された世界エイズ・結核・マラリア対策基金(世界基金)の理事会において、グアテマラ政府と世界基金に対し、HIV/エイズ患者への継続的治療、またグアテマラ国内で治療を受けていない層への治療の拡大について、さらに努力を重ねていくよう求めた。国連エイズ合同計画(UNAIDS)によれば、現在同国では、治療の必要なHIV/エイズ患者のうち推定60%が治療を受けることができずにいるという。

MSFは2001年から、グアテマラで2千人を超えるHIV/エイズ患者を治療してきた。現在1250人以上いる患者の治療責任は、2007年中に同国の保健当局に徐々に移管していく予定である。この移管は、同国におけるHIV/エイズの治療能力が向上しつつあることを示している。しかし依然として、より幅広く持続可能な治療が同国政府と世界基金にとっての課題となっている。世界基金は新規感染者への資金援助のみを行うことから、グアテマラ政府はすでに感染している患者の要求に応えるための人的資源と財源を適切に分配する必要がある。一方、世界基金にも、最も効果的な医薬品が最低価格で購入できるよう保証するための対応が求められている。

MSFのグアテマラにおける活動責任者、ジネット・ピラトは次のように述べる。「世界基金は薬価を下げるために資金力を活用し、今後さらに多くの患者が治療を受けられるよう、より大きな役割を果たす必要があります。グアテマラ政府が抗レトロウイルス(ARV)薬の第二選択薬に支払う高い価格は、治療の継続と拡大における最大の障害となっています。残念ながら、グアテマラの状況は世界の中所得国において不可欠な第二選択薬の価格がより大きな問題になっているという、典型的な例であるといえるでしょう。」

例えば、世界保健機関(WHO)が推奨し、米国の製薬会社アボット・ラボラトリーズが製造しているARVの第二選択薬、ロピナビル/リトナビル(商品名「カレトラ」)の価格は、世界の他の中所得国と同様グアテマラにおいても手の届かないものである。2006年6月以降、アボット社はマラウィやカメルーンなどの後発開発途上国向けの新型のロピナビル/リトナビルの価格を、患者1人あたり年500米ドル(約5万9千円)とした。しかし、グアテマラ、ホンジュラス、ペルーなどの中所得国においては、保健当局は患者1人あたり年2200米ドル(約26万円)を支払わねばならない。

世界基金はグアテマラやその他の中所得国に対して、最も効果的な医薬品を最低価格で購入するために、2001年のドーハ宣言で定義されているように、WHOの仕組みを利用するよう働きかけるべきである。

MSFは1982年からグアテマラで活動している。現在世界32ヵ国において、65のプログラムを通じ、4千人以上の子どもを含む6万人以上の患者にARV治療を実施している。MSFは1990年代半ばから途上国のHIV/エイズ患者への治療を始めており、2000年に初めてARV治療を開始した。

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