グアテマラ:熱帯性低気圧「スタン」による被害、MSFの活動

2005年10月21日掲載

10月始め、熱帯性低気圧「スタン」がグアテマラとエルサルバドルを直撃した。国境なき医師団(MSF)は、グアテマラの全被災地域で援助需要の調査を地上だけでなく空からも行った。初動時に飲料水と基礎的な治療キットを提供した後、被害がもっとも大きく、特にマラリアやデング熱の危険性が高い地域で、水・衛生状態の管理と疫学的監視を強化している。

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ソロラ県 サンティアゴ・アティトラン

アティトラン湖周辺の著名な観光地、サンティアゴ・アティトラン(人口2万人)では、なおも約6千人が40ヵ所の避難所で生活している。教会、学校、民家などが避難所として使われており、帰宅できない被災者が家族や親戚とともに滞在している。キューバからの医師200~300人など、多くの医師が現地入りしており、複数のNGOが活動しているにもかかわらず、飲用水の不足や避難所の過密状態がなおも大きな問題となっている。これまでに軽度の下痢が報告されており、その他の病気の監視も継続されている。MSFはこの地域の避難所で、基礎医療、疫学的管理、水・衛生環境の整備、心理ケアなどの提供を調整する準備ができている。被災者の大多数は、墓場と化したといわれるパナバ村の出身であり、自宅を失ってしまったために帰宅できないでいる。

エスクイントラ県 ヌエバ・コンセプシオン

MSFはエスクイントラ県で調査活動を行った際、カノイティアとサンタ・アナという2つの小さな町に被災後も援助がまったく届いていないことを確認した。これらの町の住居の大多数は半壊、医療施設は全壊し、そして水不足という重大な問題を抱えている。この地域ではコレラが流行しやすいことが知られているが、被災後の感染例は報告されていない。数日後には水・衛生の専門家が到着する予定であり、MSFは疫学的監視を続けていく。

サンタ・ロサ県 チキムリジャ

MSFはチキムリジャで調査を実施し、今後も数日から数週間にわたり水が引かないと予想される地域では、感染症流行の危険があることを懸念している。3,100世帯が暮らすチキムリジャで、MSFはマラリアとデング熱への感染危険性を下げようと努力している。3,200ヵ所の井戸の清掃、媒介蚊対策、殺虫処理を施した1万帳の蚊帳の配給、住居の現状把握に重点を置いた活動を実施する予定である。今後5つのチームがチキムリジャの周辺地域を訪れ、医療スタッフが疫学的監視を行う予定である。

コアテペーケ

13万人が居住するコアテペーケでは、少なくとも6千人がなおも避難所で生活している。グアテマラ政府は、この地域の医療状況はキューバからの医療チームにより統制されていると断言している。MSFはコアテペーケのエイズ診療所で通常の活動を継続する一方、状況の観察も続けていく。

メキシコとの国境地帯にあるオコスでは、2日間にわたって小規模のチームで診察を行った。住民130人が診察を受け、多くの症状は真菌症などの軽いものだった。MSFは今後、水・衛生環境の管理に力を注いでいく。4万リットルの貯水タンク3基を同地に設置した他、地中2~3メートルの深さで取水するため、汚染の被害を受けやすい井戸の清掃を行う予定である。加えて、水・衛生環境の管理もオコス、リモネス、ラ・インデペンデンシア地域で実施する。

MSFはまた、孤立化していたマラカタン町までのメキシコとの国境地帯で調査活動を実施した。道路は徐々にではあるが復旧しつつある。

人員

現在、約70人の外国人派遣ボランティアと現地スタッフが活動している。

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