インド:カラアザール根絶のために、HIV/エイズとの二重感染治療の拡大を

2014年12月16日掲載

MSFは2007年にビハールでのカラアザール治療を開始(2011年8月8日撮影) MSFは2007年にビハールでのカラアザール治療を開始
(2011年8月8日撮影)

世界の貧困地域でまん延する感染症であるカラアザール(内臓リーシュマニア症)と、HIV/エイズとの二重感染が問題となっている。国境なき医師団(MSF)が、インドのカラアザール流行地域で行った調査では、二重感染率が増加していることがわかった。MSFは二重感染者に向けた総合的な取り組みを行うための指針策定を急ぐよう呼び掛けている。

記事を全文読む

二重感染者に対する検査・治療が不足

インド・エイズ管理機構(NACO)および国家媒介性感染症制御計画(NVBDCP)は、HIV/エイズとカラアザールの二重感染を対象とした総合的な症例管理計画を進めている。その尽力は評価に値するものだ。MSFはさらに、すべてのカラアザール患者にカウンセリングと検査の機会を提供するとともに、カラアザールの流行地域に住むHIV/エイズ感染者たちが適切な診療を受けられるようにするべきであると考えている。

MSFが、インド国内のカラアザール症例の7割を占めているビハール州で行った調査では、カラアザールとHIV/エイズの二重感染率が増加していた。MSFのカラアザール患者の中でHIV/エイズにも感染している割合は5.6%。この数値は、0.22%というビハール州全体のHIV/エイズ感染率よりもはるかに高い。

調査対象とした14歳以上の2130人は、既にカラアザールの確定診断を受けている。このうち2077人がHIV検査を承諾し、117人(5.6%)がHIV陽性だった。ただ、49人(2.4%)は自身のHIV感染をあらかじめ認識していなかった。

州レベルでの総合的な対策が必要

インドでMSF活動副責任者を務めるプリンス・マシュー医師は「総合的な指針の実践を目指す国レベルの尽力は確かなものですが、カラアザールまん延地でHIV/エイズとの二重感染の検査・治療を確実に拡大させるためには、州レベルでの支援と活動も欠かせません」と話す。

現状では、HIV/エイズ・カラアザールの二重感染の規模や治療計画に関して、限られた情報しかない。二重感染すると治癒率が低く再発率が高いことからも、総合的な治療法を採用する必要がある。

個々の治療の成功のためだけでなくカラアザールの根絶のためにも、二重感染に対する州レベルでの対策拡大が急務となっている。

関連情報