フィリピン: 台風22号の被災地、地域医療で対応可能

2014年12月12日掲載

フィリピンを通過した台風22号の被災地に、国境なき医師団(MSF)はヘリコプターと自動車を乗り継いで2014年12月11日に到着。建物の損壊の程度や被災者の医療ニーズを調査した。現状では被災地の医療ニーズは低く、保健省も対応にあたっていることから、MSFは医療活動の必要はないと判断した。

2013年の猛烈な台風30号の再現となることが懸念されていたが、サマール、マスバテ、ビリランの3島を視察した結果、事前の対策が奏功し、被害が抑えられていることを確認した。

事前の対策が奏功、被害は最小限に

MSF活動責任者のオリビエ・オーブリーは「サマール島では被害の程度が不明で、現地からの具体的な情報もなかったため、医療ニーズの現地調査を実施しました」と説明する。

台風22号が最初に上陸したサマール島ドロレスでは、2013年の台風30号被害の教訓から、住民が上陸の数日前に完全退避していた。食糧の備蓄も十分だった。保健省の報告では、ドロレスでは死者2人、負傷者68人だった。ただ、一部の子どもには下痢や発熱が見られる。デング熱など水と蚊が媒介する病気の流行も懸念される。

オーブリーは「病気が流行する心配もありますが、これまでのところ、地元担当局が事態をしっかりと掌握できているため、MSFの医療活動の必要はありません。MSFは引き続き、当局と密接に連携し、状況を注視していきます」と話す。

一方、インフラや家屋の損害は、特に河川部や島しょ部で目立つ。12月10日時点で、ドロレスの電力供給と通信は復旧していない。

地域の保健医療で対応可能

サマール島北東部のアルテチェとガマイのほか、レイテ島の北側に位置するビリラン島の状況もおおよそ同じで、住民は台風上陸前に滞りなく一斉避難していた。医療ニーズは小規模で、上気道感染症、発熱、下痢が何件か報告されているのみだ。保健医療施設も機能しており、建物や家屋の損傷も総じて小さい。ただ、アルテチェとガマイは通信が復旧していない。水は汲み上げポンプで確保されている。

マスバテ島でも、台風直撃の数日前に住民の避難が完了し、死者なし、負傷者も比較的軽傷だった。建物や家屋には多少の損壊が見られる。今後はサマール島北西部に移り、カタルマン市で最終調査を行う予定だ。

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