フィリピン: 台風22号、被害は昨年より小規模か

2014年12月09日掲載

MSFのオリビエ・オーブリー MSFのオリビエ・オーブリー

フィリピンに上陸した台風22号は、勢力を弱めながらゆっくりとした速度で横断している。国内の被害状況は依然として把握されていない。ただ、国境なき医師団(MSF)のオリビエ・オーブリーによると、当初の懸念ほど深刻ではないようだ。

オーブリーは「2013年の台風30号の被害状況とは大きく異なります。台風30号は“猛烈な”レベルでした。台風22号は、上陸時には “非常に強い”レベル。台風30号と比べて風雨がかなり弱いものでした。公式な数値はありませんが、早めの避難が功を奏し、被害者数も昨年と比べると少ないようです」と話す。

首都マニラ、レイテ島から被災地を目指す

12月6日、サマール島東部のドロレスに上陸した台風22号は、マリンドゥケ(ボアク)島トリホス付近を北西に移動。12月8日時点の報道では通常の台風と同じレベルまで勢力が弱まっている。

サマール島民の損害や医療ニーズの程度は今も不明だが、サマール島の西側に位置するレイテ島タクロバン市では、複数のMSFチームが12月9日のサマール島入りを目指して準備中だ。サマール島には、プログラム責任者、ロジスティシャン(物資調達、施設・機材・車両管理など幅広い業務を担当)、医療アドバイザー各1名によるチームを派遣する。南西部を自動車で抜け、東部の町タフトに向かう予定だ。

首都マニラの外科チームと調整チームは、台風の影響で周辺地域が悪天候のため、移動ができず待機している。MSFはヘリコプター2機を手配済みで、両チームをタクロバン市やサマール島の被災地に送り届ける態勢は既に整っている。12月8日時点の予定では、マニラの2チームは12月9日にタクロバン市入りする。その後、調整チームがサマール島北東部の調査を行う予定だ。

パロの州立病院は業務再開

一方、タクロバン市駐在のMSFスタッフからは気象条件の好転が報告されている。雨は小降りになり、海浜地域の浸水が見られる程度だという。

MSFが支援するレイテ島パロの州立病院には、スタッフが全員復帰し、通常通りの業務を再開した。12月8日までに、夜間に執刀した帝王切開1件を含む33件の分娩があった。台風によるけがで来院した患者も6人いた。

タクロバン市でMSFプログラム責任者を務めるエルビス・オティエノは「患者の来院は途絶えず、私たちも対応しています。市街には人の姿が戻り、車も走っています」と報告している。

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