キルギス:南部での暴動被害者を治療(8月9日現在)

2010年08月13日掲載

キルギス

キルギス南部で緊張状態が続く中、国境なき医師団(MSF)は、オシ市、ジャララバード市、バザール・コルゴン市において、暴動の被害者に医療ケアと援助を行っている。MSFは、まず住民の緊急の医療ニーズに対応する方針で、恐怖心から居住区の外に出られない人びとのために移動診療を行い、毎週250~300件の診察を行っている。

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現地の医療機関やスタッフと連携し活動

オシ市の倉庫で救援物資を準備するスタッフ。 オシ市の倉庫で救援物資を準備するスタッフ。

キルギスにおけるMSFの活動責任者アレクサンドル・バヤは語る。
「近いうちに状況が好転することを願っています。1つの明るい兆しは、オシ市の医療機関の周辺にいた武装兵士が8月2日に撤退したことです。うまくいけば、武装兵士のせいで病院に来ることをためらっていた患者が戻ってくるかもしれません」

現在、MSFの医療スタッフが行う診察のうち、30%は絶えず続く恐怖とストレスによる心身の症状であり、約20%が高血圧、糖尿病、肺疾患、循環器疾患などの慢性病である。

オシ市のプログラム責任者アニャ・ウォルツは語る。
「私たちは、病院を含む地元の医療機関の経営者や医療スタッフとうまく連携しています。これらの医療機関に搬送された患者は、分け隔てなく効率的かつ適正に治療を受けています。しかし、6月の衝突による恐怖は根強く、二次、三次レベルの医療施設に行くように説得するのが難しい患者もいます。また、MSFは医薬品、医療機器、清潔な水を必要とする医療機関に提供しています」

心理ケアで被害者をサポート

MSFのコーディネーションスタッフによるチームミーティング。
オシ市にて。

さらに、MSFの心理療法士は、6月の衝突で家族を失った人、残虐な場面を目撃した人など、辛い体験をした多くの人びとに心理ケアを行っている。また、より多くの人びとに手を差し伸べるため、現在MSFは42人のカウンセラーを対象に研修を行っており、近々被害者の近隣で活動を開始できる予定である。

最後に、MSFは新たに大規模な暴動が起きた場合にでも迅速に対応ができるよう、緊急医療を考慮した上で医療機器や医薬品を重要な場所に事前に配置した。

MSFは、2006年からキルギスの刑務所や拘置所で結核治療プログラムを運営している。

2010年4月には、首都ビシュケクでの衝突に対応し、主要医療機関3ヵ所に医薬品と医療機器を提供した。

キルギス南部では、6月15日に緊急援助活動を開始し、暴動被害者の医療ニーズに対応している。現在15人の外国人派遣スタッフと40人の現地スタッフで構成される55人のMSFのスタッフが、今回の緊急援助活動を運営している。

今回の危機が発生して以来、MSFは医薬品と医療機器を臨時に無償提供したほか、25の医療施設を支援し2100件以上の診察を行った(うち1300人の患者に対しては、オナディルで活動する保健省職員とともに治療にあたった)。

さらに、オシ市とジャララバード市の二次、三次レベルの医療施設には、特殊な手術用機器、医薬品、医療物資を提供した。

また、事件の被害者に対する心理ケアも行っている。これまでに416人の患者が、心理ケアの個別カウンセリングとグループカウンセリングを受けた。オシ市とジャララバード市では、MSFは42人の心理ケアカウンセラーを対象に研修を行った。

合計2万人以上の避難民および被害者に対して、MSFが行った援助の概要は以下のとおり。

  • いくつかの医療施設に医療キットを提供し、推定1万2000人を援助。
  • 衛生用品キットと調理器具のセットを6835人に配布。
  • オシ州内の(ファミリーセンター2ヵ所とタシュラクのキャンプ1ヵ所)では、清潔な水を安定して供給できるようにし、また、キャンプ2ヵ所で住民のために簡易トイレやシャワーを設置。

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