バングラデシュ: マラリア撲滅にMSFも協力

2014年11月14日掲載

地元の保健医療者と協力してマラリア対策を進めている 地元の保健医療者と協力してマラリア対策を進めている

国境なき医師団(MSF)はバングラデシュのチッタゴン丘陵一帯で、2014年8月から3ヵ月にわたり、南東部で約1700人のマラリア患者を治療した。

MSFはマラリア治療の緊急援助をチッタゴンのバンダルバン県で行っている。ここではマラリアが風土病となっている。MSFは保健省管轄の地元診療所・病院の業務や、孤立村の住民との接触を支援している。

バングラデシュは「2020年までにマラリアを根絶する」という目標を掲げ、国内全域で目覚ましい成果を出している。しかし、チッタゴンでは依然として問題となっている。

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交通が不便な遠隔地での援助

小舟で川を渡るMSFチーム 小舟で川を渡るMSFチーム

チッタゴンはミャンマー国境沿いの地域だ。バングラデシュはガンジス川の広大な三角州に位置するため、国土のほとんどが平坦で、チッタゴンが唯一の丘陵地帯となっている。都市部からは遠く離れ、交通が不便な一帯でもある。医療スタッフは、小舟で遠距離を移動し、何時間も森を歩き、丘を登り、幅の狭い木製の橋を渡った末に援助対象の人びとのもとへとたどり着く。

ハイワイ・パラ村でMSFの治療を受けた女の子(3歳)の母親は「娘はごはんを食べられなくなっていました。ひどい体調でした。村の保健担当の方が娘の血液検査をし、マラリアの薬をくださいました。こうした医療が安心と安全をもたらしてくれています。良質なケアが受けられて幸いです」と語る。

MSFは、チッタゴンの住民に無償でマラリア検査を提供している。11月4日までに6470人が検査を受けた。そのうち1693人(26%)がマラリアと診断され、治療を受けた。重症の患者には、近隣の病院を紹介することもある。

地元の保健医療者への研修も

MSFのマラリア検査を受ける子ども MSFのマラリア検査を受ける子ども

マラリアはときに高熱、倦怠(けんたい)、頭痛、嘔吐(おうと)を引き起こす。重症の場合に治療を受けなかったり、手遅れになったりすると、患者はこん睡に陥り、死に至る恐れもある。

MSFは域内の主要な町で薬の提供や調整役を担うほか、バンダルバン県で医療の不足している地域にもチームを派遣してきた。村の保健担当者がチームに加わり、MSFの看護師や医師からマラリア対策の研修を受けている。

バングラデシュのMSF活動責任者であるパルタサラティ・ラジェンドランは「保健省や保健医療団体との連携で、バンダルバン県の住民が速やかにマラリア診療を受けられるようになりました。MSFも、常に保健担当局との連携に備えています」と話す。

MSFのバングラデシュにおける活動は1985年から続いており、チッタゴン丘陵地帯を中心に緊急事態に対応してきた。バンダルバン県のマラリア対策では、国連開発計画(UNDP)、バングラデシュ農村向上委員会(BRAC)、地元NGOの「 Gram Unnayan Sangstha(GRAUS)」など同国内外の他団体および保健省と連携している。

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