スマトラ島沖地震:MSFの活動状況

2004年12月29日掲載

病気や伝染病の発生は現在のところどの支部のチームからも報告されていない。(12月28日付)

スリランカ

現在の死亡者数は2万1000人、負傷者数は74万5000人。(12月29日付)

最も被害の大きい地域 死者数 避難民数
東部州、アンパラ地区 5726人 19万3000人
東部州、バティカロア地区 653人 4万166人
東部州、トリンコマレ地区 710人 3万3320人
南部州、ガレ地区 2500人 3万人
北部州、ムラティヴ地区 1000人 1万5000人
南部州、マタラ地区 667人 報告無し
西部州、カルタラ地区 90人 1万2258人(75のキャンプでの)

(国連統計、12月28日付)

ガレでは略奪が報告されており、外出禁止令がしかれた。沿岸沿いの道路を含む一部道路が通行止となっている。ガレ病院を含む一部の病院や保健センターは大きな被害を受けている。(12月28日付)

コロンボの空港は混雑しており、ほぼ麻痺状態にある。異なる地域にどれほどの量の地雷が敷設されているのか掌握している人間がいないことから、地雷に関しては、情報の調整と連絡が必要となっている。(12月29日付)

新たな余震や津波についての情報はない。国の北部にある地雷原への影響についても報告はない。(12月28日付)

MSFフランス支部

6人編成のチームがコロンボに到着。チームには外科医1名、内科医1名、看護師1名、及びロジスティシャン2名が含まれている。チームはすでに一部調査をしており、東部沿岸地域一帯が被害を受けているとの報告を行っている地元のロジスティシャンと合流した。(12月28日付)

チームはMSFフランスがプログラムを実施していたことのあるスリランカの北東部に向かっている途中で、最初に海岸沿いの町場ティカロアを目指す。津波が直撃するより前からバティカロアの南にある地域で小屋で生活をしていた非常に貧しい住民がすでにいる事を掌握済みである。(12月28日付)

この2,3日の間にコロンボにさらに2名ないし3名のボランティアが到着する予定となっている。(12月28日付)

フランス、ボルドーからコロンボに向け、40トンの貨物を載せた特別チャーター機が29日深夜出発する。貨物には水・衛生物資、医療・手術用物資が含まれている。3ヵ月間3万人の患者を診る事が出来る診療所設営用のキットも3基積まれている。コロンボ到着は30日朝の予定。(12月29日付)

被害状況を撮影するため、ビデオプロデューサー1名とカメラマン1名がコロンボに向かい出発。(12月29日付)

MSFスペイン支部

29日コロンボから南のアンパラに緊急援助活動責任者1名と看護師1名が車で向かう一方、さらに医師1名がコロンボに到着。30日にさらに2名、31日に2名のボランティアが到着する予定。(12月29日付)

コロンボに特別チャーター貨物機を手配、2日以内に現地到着の予定。(12月29日付)

MSFスイス支部

2名のボランティア(ロジスティシャン1名、看護師1名)からなる最初のチームが29日夜、コロンボに向け出発、30日にさらに3名(医師1名、ロジスティシャン2名)、1日に4名(ロジスティシャン1名、看護師2名、アドヴァイザー1名)が出発する予定。(12月29日付)

30日、フランス、ボルドーから40トンの物資(水・衛生物資、医療物資、食料、ビニールシート)が特別チャーター機にて出発、31日にコロンボ到着予定。(12月29日付)

計画では、バティカロア周辺でMSFフランス支部と共同で東部での援助活動を行い、必要に応じてチームの活動場所の割り振りを調整。
1日から特にマタラ周辺やハンバントタなど東部に向けてガレの上空からの調査を開始する予定である。(12月29日付)

MSFオランダ支部

現段階の状況では介入する余地なしとするが、ほかのMSF支部の動き次第で必要があれば応じる体制。(12月28日付)

インドネシア

MSFベルギー支部

28日夜、8人のチームが3.5トンの医療物資と共にバンダ・アチェに到着。チームには看護師3名と医師2名(全員インドネシア人)に加え、ロジスティシャン1名(英語とアラビア語を話すボランティア、イブラヒム・ユーニス)、サビ―ヌ・ランス(フランス語、オランダ語、英語を話すMSFベルギーのプログラム責任者)そして通訳1名が含まれている。(12月29日付)

チームはバンダ・アチェの町の60%余りが全壊していると報告している。町は一本の道路を挟んで二分され、町の低地の沿岸部側の住人は道の反対側の高地へと避難している。人々は道に落ちているビニールなどでテントを張り仮ごしらえの住まいを作ろうとしている。(12月29日付)

災害発生から3日後も依然多くの遺体が路上に放置されたままとなっている。被災者達は厳しいストレスにさらされている。一部の地域では食糧が不足したら、また別の地域では清潔な水が不足するといった状況となっている。町の一部では電力が供給されている。町にはガソリンがまったくない。(12月29日付)

インフラは大きく破壊されている。28日夜、チームは病院内に宿泊した。(12月29日付)

避難民を終了する大きなキャンプが3つ設営された。MSFはそのうち1つのキャンプで医療相談を提供することから活動を開始。チームはバンダ・アチェでの調査を続行中。デビッド・カーティス(緊急援助活動責任者)と6名のボランティアが(広報のアーウィン・ヴァントランドと共に)29日ジャカルタに到着。内ほとんどは今いるチームに合流するため30日朝4時30分の飛行機でバンダ・アチェに出発する。チームは写真とビデオ映像を撮影する予定である。(12月29日付)

一方、ロジスティシャン1名(英語、フランス語、ドイツ語を話すアレクシス・モーンズ)が貨物チャーター機が到着するメダンに向かっている。30日にヘリコプターを手配し、道中北東部の沿岸(全長400キロ)の調査を行いながらバンダ・アチェへと飛ぶ予定である。(12月28日付)

計画では向こう2、3日、ヘリコプターを使い被害甚大と予測される北東部の沿岸を上空から調査する予定となっている。(12月28日付)

アチェでは依然紛争地域が残っている。中には地雷が多数敷設された地域もある。(12月29日付)

MSFフランス支部

4人からなるチームでアチェに向かう調査を計画中。日程は未定。必要時応じてヨーロッパからのボランティア派遣を増員するため待機中。(12月28日付)

マラリアとデング熱の発生が重要な問題となることが懸念されている。海水が供給水源を汚染しているため衛生的水の供給が際優先課題となる。生存者には心理ケアの提供が予定されている。(12月28日付)

タイ

3名のMSFのスタッフ(MSFフランス支部2名、MSFベルギー支部1名)によるラノンからプーケット北部にかけての調査が実施された。3つの州立病院と1つの地元病院を訪れている。各病院は、一日平均600人から1000人の患者を収容しており、26日から28日にかけては300人から400人の患者を受けている。(12月29日付)

調査チームは多くの漁村が被害に合い、現在はほとんど無人化してしまっているタクアパ地域も訪れた。1艘18トンの重量の漁船がいくつも津波の勢いで建物の屋根にまで吹き飛ばされている。行方不明者が依然数多く報告されている。(12月29日付)

一般に、十分なリソースと物資の到着をともない緊急事態への対応は迅速でよく組織されている。MSFの介入の必要性は限定的なものである。(12月29日付)

タクプアの地方病院からは人的な援助の要請があった。4名のMSFフランス支部から派遣された看護師が間もなくチームに合流する。MSFフランス支部はパン・ナ地方病院に医薬品の寄付を行っている。(12月29日付)

MSFベルギー支部

30日バンコクの救急搬送病院での調査活動を実施する。(12月29日付)

マレーシア

MSFベルギー支部

医師2人によるペナンから北へタイ国境までの地域における調査が完了した。29日午後4時現在確認された死亡者は65人で、依然として約20人が行方不明である。(12月29日付)

    被害の見られる6地域(12月29日付)
  • ランカーウィー(Langkawi):リゾート地
  • クアラムダ(Kuala muda):漁村
  • ペナン島(Penang island):リゾート地・漁村
  • パリブンタル(Parrit buntar):漁村
  • バガンダトー(Bagan datoh)
  • サバクベナン(Sabak benam)

これらの被災地域では、人々は学校やモスクで避難生活を送っている。水道局は給水車による活動を行っている。保健施設は破壊されていなかった。軍と警察は自治体職員とともにがれきの撤去や行方不明者の捜索を行っている。市民社会が立ち上がり救援金や援助物資が寄付されている。Women’s federationや赤新月社などの組織が避難民への支援を行っている。一部の漁村の住民を除き、生活は壊滅的な影響までは受けていない。(12月29日付)

政府は被災地域にメンタルヘルスケアのための施設を開設すると約束している。被災者の安否を心配する人々のための緊急ダイヤルも設置された。(12月29日付)

マレーシアの西海岸は大部分がマングローブに覆われており、それゆえ村々はこれらの樹木帯 に守られている形になる。被害の深刻な地域は漁村(水上に建つ家が特徴。多くの船が家々に打ち上げられていた。)やリゾート地である。リゾート地での被害は、主に小屋やウォータースポーツ用機材などである。大規模なホテルの多くは洪水対策を施しているため、被害を受けたホテルはほとんどなかった。(12月29日付)

政府と地方共同体による援助活動が行き届いているため、MSFの援助活動は現在のところ予定されていない。(12月29日付)

ミャンマー

ミャンマー当局は90名の死亡を発表。最も被害が深刻な地域はカウツァウン(Kawthoung)周辺の南部である。(12月27日付)

MSFスイス支部

医師1名、水・衛生技士1名、ミャンマー人医師1名、ミャンマー人ロジスティシャン5名からなるチームは、29日夜ミャンマー最南部のカウツァウン (Kawthoung)に到着、ここからメルグイ(Mergui)方面へ調査を進めていく。当局の許可が得られれば、チームはメルグイ諸島(現在いくつかの島は孤立状態にある)を空から調査する予定である。チームの報告によると、30人あまりが死亡、1500人が行方不明、40隻の船が転覆し、橋1つが倒壊している。援助のニーズを把握したチームからの新たな報告は30日に入る予定。(12月29日付)

インド

MSFベルギー支部

2人からなるチームがインド南部の数カ所にて調査活動を行っている。26日タミール・ナデュの州都チェンナイに到着した。予想より被害状況は悪くなく、沿岸の被害はそう大きくはなく政府及び地元の人々による医療施設、食料配給,清掃活動が組織されている。チェンナイでは衛生的な水の不足はないようである。この2日間に政府の運営する病院に220人の負傷者が軽傷で収容された。

27日、調査チームはさらに南部のナガパッティナム(最も被害のひどい地区)を訪れた。沿岸部は被害状況がひどく、多くの家族が行方不明者を捜索中である。政府と地元コミュニティの対応力は大きい。遺体はすでに回収され始め火葬(焼却)されている。清潔な水の供給再開のため、水ポンプを稼動させる電力供給システムの復旧が試みられている。保健当局は人員を増やして無料の「医療キャンプ」を設営した。病院には医薬品・物資が十分確保されているようである。現時点での基本的な問題は心理的外傷(PTSD)のようである。(12月27日付)

調査の結果、以下の2つの決定が下された。

  • ナガパッティナムおよびカッダロールで感染症の流行に備えるために、エピセンター(MSFの疫学研究組織)から感染症の専門家を1名派遣する。31日から活動開始。
  • 医療面については、現在のところ直接の援助の必要性は見られないが、この災害によるトラウマに苦しむ人々のためのカウンセリングや支援を行うチームの編成が予定されている。(12月29日付)

MSFオランダ支部

看護師1名、水衛生専門家1名の二人のボランティアが29日朝、チェンナイに到着しベルギーチームに合流した。孤立の著しいアンダマン・ニコバル諸島の調査を開始するための許可をインド政府からとった。この島々は震源地に近いアチェの北に位置している。(12月29日付)

また、2名からなる他のチームがインド南端のカンニャクマリ(Kanniyakumari)を調査するために30日朝出発する。(12月29日付)

バングラデシュ

MSFオランダ支部

ほかの被災国に比べ、比較的バングラデシュの被害状況は軽いと報告されている。MSFオランダ・ドイツ支部では特別な介入はない。(12月26日付)

他のMSF支部も含め、現在のところ同国での活動は予定されていない。(12月29日付)

その他

MSFが活動しているソマリアやケニヤなどのすべての国の現地活動チームは被害状況を調査中である。(12月28日付)

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