コンゴ共和国:憂慮すべき衛生状態で暮らすプール地方の住民 ―MSF、コンゴ政府に対応を求める-

2007年01月19日掲載

2003年に調印された和平合意により政情は安定したものの、コンゴ共和国プール地方における住民の健康状態は未だに極めて憂慮すべき状態にある。国境なき医師団(MSF)は、コンゴ共和国の政府および保健省に対して、この顧みられないでいる住民に保健衛生サービスを提供する義務を果たすよう求めている。プール地方はもはや緊急を要する人道的危機にあるとは考えられていないが、MSFの医療チームがこの地方で援助を提供している医療ニーズは、平静時に見られるものというよりは、典型的な慢性的危機状態によるものである。

和平合意が調印された後、暴力事件の数が減少し、同地方内における移動の自由は増したものの、公共医療サービス、医療体制、医療器具のいずれもが未だに不足している。さらに、医療従事者はまだ武装解除がされていないこの地方で働くことを恐れているため、スタッフの数が住民のニーズを満たすには圧倒的に不足している。同国保健省のデータによれば現在、この地方には医者が住民3万人あたり1人しかいない。これは、同国における他の地方の6分の1である。看護師にいたっては1万2574人に1人であり、これは他の地方の9分の1にすぎない。

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患者の対応をする活動責任者 ジュディ・マッコネリー 患者の対応をする活動責任者 ジュディ・マッコネリー

2006年7月、MSFはプール地方で住民の健康調査を実施した。その結果、懸念すべきいくつかの事実が明らかとなった。まず、5才未満児の死亡率が1日1万人あたり2.2人という憂慮すべき水準にある。サハラ以南のアフリカで政情が安定した地域における許容値は1万あたり1.16人である。また、この調査においては、住民全体の死亡率も高い水準にあることが判明した。サハラ以南アフリカで政情が安定した地域における死亡率の平均が1日1万人あたり0.5人であるのに対して、同地方は同0.8である。さらに、妊産婦死亡率も全国平均値の数倍に達している。なお、産科ケア、予防接種およびマラリアによる死亡率も憂慮すべき水準にあることが示されている。

MSFは今月初めに、首都ブラザビルで開催したパネルディスカッションの後に健康評価の調査結果報告書と要約をコンゴ共和国保健省に提出した。プール地方の住民の医療ニーズに対応し、彼らの健康状態を改善することを目的として、MSFはコンゴ共和国政府および同国保健省に対してこの地域の住民に医療を提供する上でより大きな責任を持つよう働きかけている。MSFのコンゴ共和国における活動責任者、ジュディ・マッコネリーは述べる。「最近、プール地方で保健省が主導してポリオの集団予防接種を実施したことにより、同地方の住民にこれまで以上の医療ケアを行うことが可能であるという望みをもたらしています。」

現在、MSFは2ヵ所の病院で二次医療ケアを提供し、ミンドゥリ、キンダンバおよびビンザの各県において複数の診療所で一次医療ケアを提供する2つのプログラムを運営している。HIV/エイズや結核の患者へのケアに加えて、MSFは子どもや妊婦などの弱い立場の人を含むプール地方の住民全体に対して産科ケア、小児医療、心理社会的カウンセリングを提供している。

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