コンゴ民主共和国: エボラ流行続く――緊急対応を阻む悪路

2014年10月02日掲載

コンゴでもエボラ緊急対応が続いている コンゴでもエボラ緊急対応が続いている

コンゴ民主共和国の赤道州で、2014年8月にエボラ出血熱の流行が宣言され、現在も終息していない。国境なき医師団(MSF)のスタッフ50人で構成しているチームをはじめ、各機関の対策チームが活動しているが、活動環境は非常に厳しい。

地域の道路網は未発達であること、エボラに関する誤った情報が地域社会に広がっていること、ウイルスに接触した可能性のある人が治療を受けていないことなどが懸念事項となっている。エボラ治療センターは、ロコリアに1ヵ所(40床)と、ボエンデに1ヵ所(10床)設置されている。

保健担当局によると、感染者はこれまでに70人余りで、そのうち41人が亡くなった。MSFは2ヵ所のエボラ治療センターで、これまで計42人を受け入れた。そのうち、検査で感染が確定した患者は20人で、12人が亡くなった。一方、7人は回復して退院。残りの1人は現在も治療中だ。

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患者の早期発見・治療が鍵

エボラ治療センターの高リスク区画内に向かうMSFスタッフ エボラ治療センターの高リスク区画内に向かうMSFスタッフ

MSFの医療アドバイザーを務めるカロリーナ・ナンクラレスは「エボラには根治療法がありませんが、良質なケアを行うことで免疫力が高まり、ウイルスを克服できることがあります」と話す。早期に治療を開始すれば、治癒の可能性も高まるというわけだ。それだけに、エボラ症状が疑われる患者がいち早く受診することは非常に重要だ。

コンゴでも、地域住民への周知活動が主要課題となっている。エボラそのものや、治療センターについての誤解、迷信、恐怖心が広まっている。エボラ対策と地元の慣習の間で摩擦が生じることも珍しくない。住民はMSFのエボラ情報に、多かれ少なかれ抵抗感を抱いている。

ナンクラレスは「こうした課題を克服するためには、各関係者が周知活動にいっそう力を注ぐ必要があるでしょう。予防策と早期発見の重要性を、継続的に伝えていかなければなりません。そのためには、健康教育活動の拡大が求められます」と指摘する。

流行規模の把握できず

エボラ流行地域で、感染の疑いがある患者を発見して可能な限り早期に治療を受けさせるための調査活動、感染者と接触した人の追跡調査、そして経過観察は、流行の拡大抑止に欠かせない。コンゴでは、MSFはこうした活動を直接担ってはいないが、保健省や世界保健機関(WHO)と協力し、調査体制の確立に寄与している。ただ、移動の困難が活動を難しくしており、流行の地理的な広がりが正確に把握できないことを懸念している。

ナンクラレスは「人びとが抵抗感を抱かずに治療施設を訪れ、直近の交友関係を話せる環境にすることが課題です。また、亡くなった人のもとに速やかに赴き、安全な埋葬を指導する体制も課題です」と話す。

コンゴでのMSFによるエボラ緊急対応の第1段階は、治療施設の準備に焦点を置いた。ロコリアでは転用可能な施設がなく、ゼロからの立ち上げる必要があったからだ。現在は、健康・衛生教育、施設への患者搬送、住居の消毒、安全な埋葬のための処置なども行っている。また、患者とその家族を対象に心理・社会面の支援も提供している

厳しい活動条件ながら、MSFはこれまでに合計54トン余りの物資と数十人のスタッフを投入してきた。対策チームのロジスティック・コーディネーターを務めるジュリアン・ビネは次のように述べている。「流行地域は熱帯雨林の奥深くで、道は少なく悪路です。4輪駆動車が入れない場所ではバイクや、さらには小舟まで使っていますが、完全に孤立状態の集落もあります。そうした諸条件が、流行の規模の正確な把握を著しく妨げているのです」

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