ザンビア:近年最大規模のコレラ発生に対応

2010年04月14日掲載

国境なき医師団(MSF)は現在、ザンビアの首都ルサカで近年最大規模のコレラ発生に対応している。3月に入って以来、コレラ症例数は4500例以上に昇り、120人以上が命を落とした。この発生は3月末から4月第1週にかけてピークに達したため、一部ではコレラ症例が減少するのではないかとの希望的観測もみられたものの、現地では豪雨が続いており、今後も市内では洪水被害が予想されるため、ここ数週間で更なる状況の悪化も懸念されている。

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治療と感染拡大防止を同時進行

コレラの感染拡大防止のため、消毒作業を行う担当者。 コレラの感染拡大防止のため、消毒作業を行う担当者。

MSFは昼夜を分かたずコレラ感染者の治療にあたるとともに、発生の拡大を抑えようとしている。MSFはマテロ、チャワマ、カニャマの3ヵ所に総ベッド数が567床のコレラ治療センター(CTC)を設営し、コレラ治療ユニット(CTU)17ヵ所を支援している。3月4日以来、MSFはザンビア保健省と連携してこれら3ヵ所のCTCで4020人の患者を治療した。ザンビアにおけるMSFの活動責任者、ルーク・エアンドは語る。

「先週は今回の発生のピークを迎え、プログラムで受け入れた症例数は1054例にのぼりました。このようなコレラ症例数は過去10年間で最も多いものです。今回の発生の規模から、私たちはザンビア保健省と連携して、より深刻な事態に対応するレベルに活動内容を拡充しました」

コレラ患者を直接治療するとともに、MSFはコレラ発生が元も深刻な市内各地域で感染拡大の防止に力を入れている。MSFの水・衛生活動スタッフは1日あたり50万リットル以上の塩素処理した水をコレラ蔓延地域で提供している一方、50人弱の消毒担当者が日々コレラ患者の自宅を消毒し、水処理に使用する塩素を配布したり、感染予防法を教えたりしている。MSFは最も洪水被害の深刻な地域における排水量を上げるため、排水設備の掘削チーム1つを支援している。100人以上のスタッフが、劇団の助力も得て地域社会の中でアウトリーチ活動(※)を行っている。チームはこの病気の蔓延を防ぐ方法について人びとに伝えることを目的としている。MSFはまたコレラの予防を呼びかけるテレビ広告を制作した。この番組は国営テレビチャンネルで放映されている。

  • アウトリーチ活動:こちらから出向いて、援助を必要としている人びとを積極的に見つけ出し、サービスを提供すること。

脆弱な基本サービスによりの風土病に

不十分な排水設備や清潔な水の不足、劣悪な衛生状態と衛生設備の不足から、コレラはザンビアの風土病に。 不十分な排水設備や清潔な水の不足、劣悪な衛生状態と
衛生設備の不足から、コレラはザンビアの風土病に。

コレラはザンビアにおける風土病である。過去数年間、雨季のルサカで繰り返しコレラの発生が報じられてきた。排水設備が不十分なことや清潔な水の不足、劣悪な衛生状態と衛生設備の不足から、ザンビアで度重なるコレラの発生や重症例につながってきた。ルーク・エアンドは語る。
「ルサカに住む人の大部分は清潔な水、排水設備や良好な衛生設備を利用できていない状態です。短期的にみて、当局がもっとずっと多くをなさなければいけないことは明らかです。コレラへの備えを改善することによって、毎年多くの命が失われる事態を避けられるようになるのです。また、ザンビア政府による長期的な取り組みも必要です。都市計画が進んでいないルサカ市近郊においてこの致死的疾患を都市から一掃するには、排水設備、衛生設備、給水設備といったインフラへの投資が必要だからです。これらの基本的なサービスはあまりにも長いことなおざりにされてきました」

MSFはザンビアで1999年から活動している。今回のコレラ緊急対応では、海外派遣スタッフ17人がザンビアの現地スタッフ500人と活動に従事している。

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