ザンビア:コレラが流行

2006年01月31日掲載

国境なき医師団(MSF)はザンビアにおける深刻なコレラの流行を受けて、2005年12月末に首都ルサカでの緊急援助を開始した。最初の隔離患者が出たのは2005年8月であった。この時からコレラは徐々に蔓延していった。12月末の時点では毎週200例ずつ新規の感染例が見つかっている。コレラの流行期である雨期が始まったばかりであり、雨期は4月まで続くため、今回の流行はまだピークに達していないと推定される。現在までのところ、29名の死者を含む1000人近い症例の90%以上はルサカで発生している。しかし他の地方にもコレラが風土病であると思われる地域もあるため、ルサカ以外でも状況を密接に監視する必要がある。

150万人が住むルサカにおける最初の感染例は、この町で最大の青空市場がある貧しい地域、カンヤマ地区で記録され、それから町の西部にあるチャワマ地区とジョージ地区に拡大した。コレラは主に汚染した水や食糧を媒介として拡がる。感染すると激しい水様性の下痢を起こし、適切な治療を行わないと脱水症状を起こし、死に至る。ほとんどの場合は経口補水塩の投与により十分に治療可能なため、入院の必要はない。しかし重度の脱水症状の場合には患者に静脈内輸液を投与する必要がある。

コレラの流行が発生した時すでに現地でHIV/エイズ治療プログラムを行っていたMSFチームは、当局に物資の提供や技術的支援を行った。新たな症例が急激に増加したことを受け、MSFは12月に医療援助の規模を増し、緊急援助チームを派遣することを決定した。ルサカに2ヵ所のコレラ治療センター(CTC)を開設し、重度の感染者を治療する予定である。ルサカの保健センターに既に設置されているコレラ治療ユニット(CTU)がこれらをサポートする。MSFチームは特に医療手順に従った処置の実施、CTCやCTUでのケースマネジメントおよび適切な水・衛生状況の監視、現地スタッフの訓練および医療物資・援助物資の供給の確保を担当する。

しかし、病人を治療するだけでは不十分である。コレラの蔓延を止めるためには地域における衛生対策を行い、早期かつ効果的に新たな感染例を検知し、治療施設に搬送する仕組みを作る必要がある。それゆえにMSFは最もコレラの影響を受けている地域への塩素消毒した水の供給を確保、殺菌手順、正しい埋葬の仕方などについても活動を行う。くわえてチームは地域における衛生手順の徹底を推進するために、調理をする際には完全に火を通し、用を足した後は手を洗うよう促すなどの感作活動も行う。そして、MSFは疫学的な監視も行う。

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