サハラ以南アフリカからの移民に対する暴力

2005年10月04日掲載

国境なき医師団(MSF)は、スペインへの入国を希望してモロッコに一時滞在する移民への暴力行為が深刻化していることを懸念している。MSFは2003年初頭からモロッコに滞在する移民への医療支援を行っているが、移民の増加に伴い、取り締まりの名目で彼らへの暴力行為が増加していることが、その活動を通じて明らかになった。

2年3ヶ月間を超える現地での活動を通じて、MSFは詳細な医学的データや証言を蓄積してきた。これにより明らかになったのは、2003年4月から2005年8月までに行った診察のうち25%近くが、不安定な移民生活から生じた病気ではなく、直接的あるいは間接的な暴力に関係したものであったという事実である。合計10232件の診察のうち、2544件が暴力に起因する内容であった。

暴力の被害を受けMSFの治療を受けた患者らの申し出をまとめると、その原因の44%がモロッコ警察、18%がスペイン警察、17%が犯罪グループ、12%がマフィアあるいは人身売買組織による暴力、2%が移民同士の争いであり、残り7%が偶発的な事故によるものであった。負傷には、深刻な障害が残ることが予想される傷や、国境の柵を越えようとした際の落下による負傷、あるいはモロッコ国境警備隊から逃れようとした際の銃撃による傷、またリンチによると見られる痕や犬の咬み傷などが見られる。死亡したケースもあった。

MSFはこうした事態に強い懸念を抱いている。移民への暴力行為や虐待は、すでに非常に不安定で非人間的な状況に置かれている人々の苦痛や疎外を助長するばかりである。

現在MSFは、モロッコ北部のタンジェ、ナドル、ウジュダ地域を中心に活動を行っている。予防医療(予防接種、産前ケア、家族計画)を中心とする移動診療を行う他、モロッコ保健当局の協力を得ながら、移民の置かれた厳しい生活環境の改善に努めている。

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