グルジア:初期段階の援助活動

2008年08月20日掲載

戦闘により破壊されたツヒンバリの様子 戦闘により破壊されたツヒンバリの様子

国境なき医師団(MSF)の活動統括責任者、フィリップ・リベロは、グルジアの首都トビリシおよび中部のゴリにある避難所で数回の調査を実施した。現地では、国際的な援助機関が殺到している一方で、今のところ援助を提供する機会が非常に限られているという対照が際立っている。

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グルジアは現在どのような状況ですか?

情勢は落ち着きつつあるように見えます。しかし、一般市民は通常の生活に戻るまでには時間がかかるだろうと今でも不安を感じており、今回の衝突によって引き起こされた恐怖は未だに拭い去られていません。当初グルジア情勢は極めて緊迫しており移動が困難な状況でしたが、この2日間は移動がより容易になりました。

ここにきて多数の援助団体が到着していますが、私たちが実施した初期調査では、今のところ緊急の援助ニーズは確認されていません。概して、グルジアの医療施設は負傷者の治療に何とか対応できています。MSFは必要であれば医薬品を提供できる準備が整っています。

武力衝突により避難民となっている人びとのニーズは何ですか?

私たちはトビリシ周辺で約200~500人の人びとが身を寄せている2ヵ所の避難所を訪れました。人びとは公共の建物に避難しており、水や貯水容器、衛生用品、調理器具などの基本的な生活必需品が不足しています。私たちは移動診療チームを編成して医療ケアも提供する予定です。このような避難所はトビリシ市内および周辺に約20ヵ所あると思われます。数日中に医療チームとともに他の避難所も訪れ、援助ニーズが確認されれば直ちに応じることができるよう、基本物資を配布する予定です。

ゴリはどのような状況でしたか?

町には人けがありません。市民の大半は避難してしまったようです。短時間での訪問の間に、私たちはゴリで現在機能している唯一の病院である、軍事病院に行きました。入院している負傷者はごくわずかでした。彼らの症状は安定しており、その他ほとんどの負傷者はトビリシへと移送されました。ゴリ周辺の村々でも調査を行いたかったのですが、それらの地域に立ち入ることはできませんでした。治安状況が落ち着いたら再び戻る予定です。また、私たちは調査を行うため南オセチア自治州に入れるよう努力を続けていますが、現在グルジア国内にいる全ての援助関係者は、依然としてこの地域には立ち入ることができない状況です。

多剤耐性結核(MDR-TB)の患者に医療ケアを提供しているMSFのプログラムの状況はどうですか?

グルジアで行っている2つのプログラムは継続しています。このうち1つはアブハジア自治共和国で行っています。アブハジアの首都スフミでは、チームが現地に留まり、80人の患者の治療を続けています。グルジアのズグジジでは、グルジア当局の要請を受けて一旦は市内から避難した外国人派遣スタッフも帰還しています。しかし、120人の患者のうち数人は外来治療センターでの治療を受けに戻っていないようです。MDR-TBは伝染性が高い病気であるため、治療を中断した患者は、周囲の人びとに感染を広げる恐れがあります。

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