ザンビア:コレラの流行は現在も拡大している――活動責任者へのインタビュー

2006年01月31日掲載

ザンビアでは2004年末からコレラが流行している。国境なき医師団(MSF)のザンビアにおける活動責任者、ミーシャ・ドリズデは現在の状況、MSFのコレラ対策、今後の予測、ザンビア政府や国内の関係機関の対応などについて語った。

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コレラ発生以降の状況はどのようなものですか?

ザンビアはコレラの流行地で、2004年12月以降、国内各地でコレラ患者が散発的に見つかっています。2005年8月から、コレラが多発する地域であるカピリムポシとルカンガ沼地地域、首都であるルサカで、再び患者数が増え始めました。流行し始めたのは2005年11月末頃でしたが、むしろ局地的なものでした。しかし、2004年の同時期と比べれば、2005年に入ってコレラの感染が広がっていることは明らかです。

雨期が始まった2005年12月にはコレラ流行の勢いが増し、深刻な拡大が懸念される様相を呈してきました。

MSFのコレラ対策はどのようなものですか?MSFは援助の範囲を広げようとしているのでしょうか?

MSFはこの1年、カピリムポシ、具体的にはルカンガ沼地でコレラの蔓延を防ぐ活動を継続してきました。MSFは、特にルカンガ沼地の漁村地域で活動を行い、コレラ診療所を設置しました。コレラ診療所の活動は、医薬品などの物資の提供、コレラ診療所スタッフの研修、水の塩素消毒、飲料水/衛生設備の供給、地域社会への周知活動などです。
またMSFの症例定義にもとづいて、流行現場でのデータ収集・分析、緊密な状況モニタリングを行いました。

8月以降、MSFは活動を強化し、活動範囲をルサカにも拡大しました。MSFは、地域および国レベルの対策チームへの参加を要請されました。またその他の活動に加えて、流行地でのモニタリングも継続しました。

その後コレラはますます蔓延し、特別対策チームが立案・実行する方法ではコレラの広がりを防ぐことができないことが明らかになりました。MSF内部での協議の結果、現地のコレラ対策は十分ではなく、MSFはコレラの流行を防ぐためにより積極的に、むしろ主導的な役割を担うべきであると判断しました。そしてMSFの緊急チームが、ザンビアに入り活動することになりました。

緊急チームは2005年12月中旬に到着し、活動を開始しました。現在、MSFはコレラ流行を防ぐ主導的役割を果たしています。MSFの方針と活動の目的は、ケースマネジメント、広範囲にわたるコレラ対策の組織化、住民の意識向上および情報・教育・コミュニケーション活動(IEC)、治療センターと地域社会における飲料水および衛生設備の供給など、あらゆる側面においてコレラ対策を行うことです。

今後数ヵ月の状況をどのように予測しますか?

コレラの流行は現在も拡大しています。ピークは1月ないし2月でしょう。患者の総数は8000人から9000人と予測しており、そうなれば、今回の大流行は、これまでのザンビアでのコレラ流行のなかでも最も大きなもののひとつになるでしょう。

ザンビア政府や国内の関係機関の対応はどのようなものですか?

政府およびNGOによる現地の対応が十分ではないことは明らかです。コレラの流行は、単なる健康問題にすぎないという程度にしか認識されていないからです。コレラ対策は、保健省およびルサカ地区保健管理局に任されているだけです。対策チームの会合には、たとえ招待されていたとしても、他の省庁代表者による参加はほとんどありません。

一方では、コレラ対策に参加している国際的なNGOもそれほど多くはありません。世界保健機関(WHO)はコレラ対策活動を取りまとめており、ザンビアの保健省は定期的に資金や少量の救援物資の支援を受けています。国際協力機構(JICA)は、ルサカの地域社会と共に、コレラについての住民の意識向上活動や消毒/コレラ患者に接触した人の調査活動整備などから成る長期プロジェクトを行っています。保健省の、このように非常に限られた人員と支援のコーディネートさえ、決して十分とはいえません。

  患者数 死亡率 致死率
1998 1543 84 5.6
1999 6948 89 1.3
2000 2 0 0
2001 884 24 3.0
2002 0 0 0
2003 182 11 2.9
2004 6058 146 2.9

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