ウズベキスタン:多剤耐性結核の治療を開始

2003年11月12日掲載

国境なき医師団(MSF)は10月、ウズベキスタン西部のカラカルパクスタン自治共和国で多剤耐性結核の試験的治療プロジェクトを開始した。世界保健機関(WHO)事務局長の李鍾郁(イジョンウク)医師は、MSFとウズベキスタン保健省が緊密な協力態勢で進めていくこのプロジェクトを「患者に治療の機会を提供し、このプログラムが同国で実施可能かつ将来は中央アジアの国々で普及可能であることを証明する機会となる」と賞賛した。

最初の患者への治療はすでに始まっており、将来的には100名の患者がこの治療プログラムを受ける予定である。これらの患者は現在使用されている第一選択薬による治療では効果の見られない型の結核に苦しんでいる。MSFは病院と研究所それぞれにこのプログラムのための設備を整えた。

多剤耐性結核の治療は困難なうえ費用がかかる。治療期間は18~24ヵ月間にわたる。また、必要な治療薬が現行の治療で使用されているものに比べずっと高価なうえ、深刻な副作用がある。さらに多剤耐性結核の治療が適切に行われなければ、薬剤に対し非常に高い耐性を持つ型の結核に発展するおそれもある。このような理由から、貧困国では治療を始めることに消極的で、そのかわりに薬剤感受性結核(第一選択薬が効果を表す結核)の治療薬のみに重点が置かれてきた。MSFはこうした消極性を取り払うためにこの活動を開始すべき時が来たと感じている。

MSFは1998年からウズベキスタンでDOTS(直接監視下短期治療法)を用いた結核対策を行ってきた。残念ながら数人の患者にはDOTSプログラムで使われる第一選択薬が効かなかった。それでMSFは2002年に結核の薬剤耐性に関する調査を行い、その結果、薬剤耐性結核患者の割合が最も高いのはカラカルパクスタンであることが分かった。以前に一度も結核の治療を受けたことのない患者の13%、そして結核治療を受けたことがあると言う患者の40%が多剤耐性結核に感染していることが明らかになった。薬剤耐性は、薬剤感受性結核の治療における抗生物質の誤用や不適当な投薬計画、あるいは患者が治療を途中で止めてしまうことによって生じている。

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