中国:SARS感染防止活動

2003年05月28日掲載

国境なき医師団(MSF)はSARSウイルスの感染が拡大している中国の河北省で、これ以上の拡大を食い止めるため、省内の2つの病院での活動を開始しました。

SARS患者が報告されている中国の省の中でも、河北省は最も感染の拡がっている地域です。人々はこの病気を非常に恐れていますが、SARSとは何か、どうしたら感染が防げるのかという一般的な知識がまだ十分に普及していません。

6名からなるMSF医療チームは、張家口市内で最大の病院および感染症指定病院と協力する形で、伝染を防ぐための防護技術や安全な臨床動作についての病院職員の指導を開始しました。またSARSはどのような病気か、その感染経路、感染リスクの軽減方法などに関する講習会を、まずは患者の親族を対象に開催する予定です。両病院では5月23日現在、合せて約60人のSARS患者が治療を受けています。

感染管理看護師2名、医師1名、感染症公衆衛生専門家1名及び広報1名を含むMSF医療チームは、ベトナムと香港で得たSARS対策の経験を中国でも生かしたいと考えています。MSFは今年3月から6週間、感染症の迅速な封じ込めに成功したベトナムで活動を行なっており、中国においても市保健当局の協力を得ながら同様の手法を取り入れる方針です。

プログラム責任者のダン・セルマンは「これまでの経験から、SARS対策上最も大切な要素の一つは、患者が病院に入ってきた瞬間から、患者との接触方法などの対処法を徹底することです。」と話しています。MSFは、病院のSARS隔離病棟が、医療従事者や他の患者、訪問者への感染の可能性がないよう確実に運営されることを目標に、活動を進めています。医療チームは廃棄物管理と消毒のプロトコルを作成し、二人の看護師はSARS病棟の支援と運営指導を行います。医師は臨床知識を共有できるよう病院の医師とともに回診を行っています。またMSFは病院に対し手袋、ガウン、オーバー、マスク、靴カバー、帽子などの防具を一式とする「SARSキット」を提供し、患者の動きに合せた病院内部設計の変更にも協力しています。

「全体的に見て、中国でのSARS流行は下火になってきたように思われます。もしこれが事実であれば、張家口での活動は1ヶ月以内に終了するでしょう。私達は状況の進展を見守り、必要であれば更なる支援を提供する用意もしています。」と、MSFオペレーションコーディネーターのフランソワ・フィーユは話しています。

関連情報