ペルー地震:MSFの活動状況 −9月3日現在−

2007年09月07日掲載

活動概要

  • 国境なき医師団(MSF)のチームは現在、現地スタッフと派遣スタッフの総勢40人で構成されている。
  • チームは8月31日、ピスコに外来診療所を新設し、術後ケアと外傷後ケアの提供を始めた。またサン・フアン・デ・ディオス病院の緊急対応委員会との間で公式に覚書を交わした。
  • 現在までに2200人以上に心理ケアプログラムを提供した。
  • ピスコから南東100kmに位置するイカ州のグアダルーペでは、水・衛生と心理ケアプログラムを展開している。また、震災後に適切な処置を受けていない外傷患者についても移送の手配を行っている。
  • MSFはグアダルーペからいくつかの援助団体が去ってしまったことを憂慮し、現地の状況を広く伝える必要性を感じている。

医療活動

心理ケアの様子。ウマイにて 心理ケアの様子。ウマイにて
  • リマ市内の病院に移送された約千人の負傷者のうち、約600人がピスコからの患者であった。そのうち60~120人には術後ケアと理学療法によるリハビリが必要と見られる。8月31日に、MSFはピスコ中心部にあるサン・フアン・デ・ディオス病院内に「外傷後医療センター」を開設した。この新しい施設は外来部門として機能する予定であり、医療ケア、包帯交換、そしてリハビリを行う。この他にも、個人および家族単位で心理ケアを提供する予定である。治療を必要とする患者を特定するため、医療チームが既に家庭訪問を始めている。リマ市内の主要な病院に対しても正式な通知が行われることになっている。
  • グアダルーペでは、診療所に対して医療物資、医薬品、食糧、人材を提供するなどの支援を行っている。医療チーム(医師1人、看護師1人)が1日に20~30件の家庭訪問を行った結果、いまだに複数の箇所を骨折している負傷者9人を確認した。地震発生から2週間以上経過していることを考えると、この数は非常に多いと言える。
  • ピスコ東部の地域では、活動の中心は移動診療から医療機関への援助へと移っており、これまで9ヵ所の医療機関に医薬品を提供した。主な健康上の問題は、依然として呼吸器感染症、下痢、そして心的外傷である。MSFのチームは現地の医療従事者に対しても心理的デブリーフィングを行っている。

心理ケア

MSFが配布する毛布を受け取る被災者 MSFが配布する毛布を受け取る被災者
  • これまでにMSFの心理ケアプログラムに参加した人の数は2200人を超える。8人の心理療法士からなるチームが、子ども向けの活動や集会、「雑談会」と称する心理教育的なグループセッション、そして多くの個別カウンセリングを行っている。彼らはこれまでに、ピスコの4ヵ所の集会センター、サンクレメンテの4ヵ所の集会センター、ウマイ地区、インデペンデンシア地区、グアダルーペ、イカで、合計144件の個別カウンセリングと106回のグループセッションを行った。グアダルーペでは8月27日に心理ケア活動を開始して以来、このプログラムに参加する人びとの数は急激に増えている。
  • 首都リマでは、心理療法士1人が、リマの病院に移送された負傷者とその家族の心のケアにあたっている。

水・衛生

  • グアダルーペでは1万人以上が不十分な生活環境に置かれていることから、MSFは人びとが入浴でき、清潔な水やトイレを利用できる設備の設置を計画した。「快適スペース」と呼ばれるこの設備はグアダルーペ診療所の隣に建設が予定されており、約200世帯に恩恵をもたらすものと見込まれる。人びとに最低限の衛生環境を提供し、尊厳を回復する手助けをするのがその目的である。一方、MSFの物資担当チームは、グアダルーペで最も被害の大きかった地域の1つに、容量1万5千リットルの塩素消毒水の貯水タンクを設置した。
  • さらに、グアダルーペ、ウアンカノ、ウマイでは、ソーシャルワーカーのチームが住民たちに対して、基本的な衛生習慣や水が媒介する病気の危険性について注意喚起を行っている。
  • ピスコでは、衛生環境は依然として整っていない。現在、平均でトイレが147人当たり1つしかない。また、現地を去る援助団体も出始めているため、懸念が高まっている。

救援物資の配布

  • MSFはピスコ東部のウマイ地区、インデペンデンシア地区、そしてウアンカノ地区で毛布3千枚と衛生キット150組を配布した。夜間に気温が下がるため、毛布が緊急に必要とされていた。
  • 9月1日にはグアダルーペで衛生キットと毛布の配布を始めた。毛布は1世帯あたり2枚、また5才未満の子ども、高齢者、病人がいる世帯にはさらに追加する形で計800枚と、同数の衛生キットを1日で配布した。衛生キットの中身は、石けん、洗面器、タオル、歯ブラシ、シャンプーなどである。住民たちが各地に設置した「オリャ(深鍋)」と呼ばれる共同調理場には、貯水容器100個を配布した。
  • MSFはグアダルーペでの仮設住宅の建設に参加する予定である。仮設住宅が必要とされる期間は、人びとに住宅が割り当てられるまでの半年間と見積もられている。仮設住宅の建設には地域社会の参加が必要となる。また現地の資材を用いる予定である。
  • 現在までに2500世帯、約1万2500人が、MSFが配布した物資を受け取った。

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