ペルー地震:MSF、被災地の住民に医療を提供

2007年08月21日掲載

8月15日(水)にペルー沿岸部で起きたマグニチュード8.0の地震により500人以上が死亡し、2千人以上が負傷した。最も被害の大きいピスコ、カネーテ、チンチャ、イカでは数千人が家を失った。MSFの緊急援助チームは、ペルーの首都リマから185km南にある沿岸部の都市、ピスコの東部にある2つの町で医療の提供を開始した。

ピスコでは病院が深刻な被害を受けたが、現地の医療スタッフは懸命に活動し、市の中央公園で負傷者の治療にあたっている。そのためMSFチームは内陸部のウマイとインデペンデンシアの町での活動に注力している。これらの町の人口はそれぞれ6千と1万2千であり、医療施設にも被害が及んでいるが援助はまだ届いていない。

MSFのペルーにおける緊急コーディネーター、ルイス・エンシーナスは語る。「19日(日)に12トンの救援物資を載せたMSFのチャーター便が到着しました。基礎的な医療や外傷の手当て、医療用テントで外科小手術を行うのに十分な量の物資があります。また、夜間は摂氏6~8度にまで気温が下がるため、屋外での生活を余儀なくされている現地の人びとに、衛生用品キット、毛布やプラスチックシートの配布も行います。」

心理ケアの専門家も医療チームと密接に連携を取りながら活動している。まずは一切を失い家族や友人を亡くした人びとを助けるために、一次診療施設内で活動を行う。活動のこの部分では、MSFの心理療法士は地域社会のグループやネットワークに大きく頼ることになる。チームはまた、深刻な外傷を負ってリマやピスコに搬送された患者の心理ケアも行う予定である。パキスタン地震など他の緊急事態からMSFが学んだ教訓では、身体に受けた深い傷と、地震による喪失と破壊からくる悲しみという二重のショックを人びとが克服することを助ける上で、心理ケアは不可欠である。

MSFはさらに、腎臓災害救援専門部会(RDRTF)のメンバーを透析機器と共に現地に派遣し、クラッシュ・シンドロームの治療も行う。これは、地震のために体の内部に深い傷を負った人の損傷した筋組織から毒素が血液中に流れ出て、腎不全をもたらす症状を指す。

ピスコでは損壊した建物の下から遺体が発見され続けている一方、家を失った生存者1万6千人のうち、多くは町を離れ始め、親せきや知り合いのもとに身を寄せている。エンシーナスは説明する。「この地域の多くの場所には未だに援助が届いておらず、給水所や医薬品が不足しています。」

医療活動を開始する一方で、別のMSFチームは他の援助団体が到着していない遠隔地での援助ニーズを調査している。今後数日のうちにさらなる援助ニーズが判明すれば、MSFは人員を増やしてチームを増強し、追加の救援物資を送付する。

MSFのチームは8月20日(月)現在、派遣スタッフ12名(医師、ロジスティシャン、心理療法士、水・衛生担当エンジニア)で構成され、現地で雇用したペルー人スタッフと共に活動を行っている。

MSFは1985年からペルーでの活動を続けている。リマ近郊のヴィラ・エル・サルバドールではHIV/エイズ治療プログラムを運営しており、現在ペルー保健省に引き継ぎを進めている。

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