ブラジル:アラゴアス州での洪水被害に対応

2010年07月12日掲載

今年6月、ブラジル北部のアラゴアス州とペルナンブコ州は大洪水に見舞われ、何千軒もの家屋が完全に破壊された。最も被害が大きかったのは、ブランキーニャ、サンタナ・ド・ムンダウ、ウニアオ・ドス・パルマレス、ムリシの4地域である。中には全住民が被災し、多くの人びとが家財を失った所もある。

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ニーズの大きい心の傷の問題、そして劣悪な生活環境

被災後の様子。洪水により家屋は完全に破壊された。 被災後の様子。洪水により家屋は完全に破壊された。

現在、国境なき医師団(MSF)の8人からなるチームが被災地で援助を提供しており、ブラジルの国家非常事態委員会とともに人道援助のニーズを調査している。

現地の医療ユニットで見られる人びとの主な症状は、不安、うつ、自殺願望、不眠、悪夢などである。ブランキーニャ村では、MSFの心理療法士2人が医療ユニットで個別セッションを行っており、今後はさらに、現地の医療スタッフおよび非医療スタッフに対して心理ケアの研修を行い、患者が抱える心の傷の問題を容易に発見できるよう手助けをする予定である。また、グループ・セッションや個別セッションを必要としている人への対応も予定している。

現在、およそ2万5000人が避難所で生活している。

MSFの心理療法士であるクリスティーナ・サッターは次のように話す。
「最も大規模な避難所は大混乱に陥っており、耐え難い状況です。荷物を置く場所もない家族がいる一方で、所持品を何ももたず、他人と一緒に床で寝ている人びともいます。周囲には尿と汗の臭いが強く漂っています。空気の流れが悪く衛生状態は劣悪なうえに、ペットがいることも状況をさらに悪化させています」

こうした生活環境を改善するために、MSFは石けん、タオル、洗面器などからなる衛生用品キット、およびビニールシート、バケツ、ロープ、蚊帳などの救援物資からなるキットを各3000セット配布する予定である。また、トイレの清掃用品50セットを提供するとともに、水・衛生に関するニーズの調査も予定している。

暴力行為も増加。疫病調査も準備を進行

避難所では、暴力行為が増加しつつある。MSFのアラゴアス州におけるコーディネーター、アナ・ルチア・ブエノは次のように説明する。
「ブランキーニャとムリシの避難所を訪れましたが、これらの場所では暴力行為が増加しています。自暴自棄になり始めた人も多く、緊張が高まっているのです。連日のように争いが起こり、刃物が使用されることもあります。MSFは、避難所内の安全について心配しています」

尿や感染した動物に直接接触することで引き起こされる、細菌感染症のデング熱やレプトスピラ症の症例が報告されていることから、人びとの健康面も見守る必要がある。すでに、疫学的状況の経過について調査するため、MSFの医師1人が現地に到着している。

MSFは、1991年からブラジルで活動している。

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