中央アフリカ共和国:過酷な避難生活に、迫りくる雨季

2014年03月10日掲載

中央アフリカ共和国内の紛争から逃れるために国境を越えた人びとが、過酷な避難生活に直面している。食糧を手に入れる手段がほとんどなく、援助が文字通りの"命綱"となっている。また、難民キャンプの衛生状態は悪く、難民数に対してトイレなどの衛生設備が全く足りていない。

隣国のチャドやカメルーンには、すでに数万人が到着し、いまなおその数は増え続けている。一方、地域によっては、国境なき医師団(MSF)が唯一の援助団体となっているところもあり、援助不足が深刻だ。

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1.3万人でトイレ20基、給水4ヵ所――チャド

中央アフリカ共和国からチャドに逃れて来た人びと 中央アフリカ共和国からチャドに逃れて来た人びと

避難者の多くは、中央アフリカ共和国内で襲撃を受けた経験を持つ。トラックに揺られ、ひどく疲れる旅を経て、同国難民の一部はチャド南部にあるシドに滞在。健康リスクが高く、不衛生な環境で生活している。

彼らは世界食糧計画(WFP)から食糧配給を1度受けたきり。それも1ヵ月以上も前の事だ。シドで国境なき医師団(MSF)のプログラム責任者を務めるオーガスティン・ンゴイは「前回の食糧配給のあと、8000人以上の難民が到着しています。タンパク強化ビスケットをもらえた一部の人を除いて、誰も食べ物がありません」と話す。

シドにいる難民の大半は急ごしらえの仮住まいで暮らしている。一方、直近の到着者は着の身、着のままで木の下に野宿している。現在1万3200人いる難民に対し、トイレはわずか20基、給水地点は4ヵ所しかない。 マラリアの症例は、現地でのMSFの診療件数の30%を占めている。また、16日間で56人の子どもが、急性栄養失調の治療を受けた。

当局はこの危機に懸命に対応しようとしているが、その費用、人員、支援は全く不足している。MSF以外には、現地で活動している国際援助団体がないからだ。

ンゴイは「緊急食糧援助はもとより、蚊帳、仮設住居とトイレも必要としています。WFPを含めた国連機関は今すぐ行動する必要があります」と指摘する。

国境を越えてくる避難者、今も――カメルーン

MSFの治療を受けた子どもと母親 MSFの治療を受けた子どもと母親

中央アフリカ共和国で戦闘が続く中、隣国カメルーンに到着した数万人の難民は現在、清潔な水、適正な住居と食糧を欠いている。国境なき医師団(MSF)は、全人道援助活動主体に対し、敏速に行動して援助を難民に提供するよう呼びかける。

2014年に入ってから推定2万2000人がカメルーンに避難した。ガルア=ブライでは、緊急医療援助が行われている。MSFは地域の病院でも活動し、1週間あたり800件の診療を行っている。診療した子どもの5人に1人は栄養失調に陥っている。また、人びとに飲料水も提供。トイレとシャワーの設置も進め、4000人の難民に毛布と石けんを配給した。

ガルア=ブライから45 km離れたムボルゲネ一時滞在キャンプでは、診療所が1つ設置され、1万人の医療ニーズに応えられるようになる。

ガルア=ブライの南では、新しい集団が今も国境を越えてカメルーン側に避難し続けている。彼らが一時滞在している場所は、雨季には到達できなくなるほど都市部から遠く離れた地域だ。人びとの安全を確保し、援助を確実に届けるためには、この地域からの移送が必要だ。

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