ラオス:ビエンチャンでもARV治療を開始

2006年10月30日掲載

ラオス当局はビエンチャンでHIV/エイズ患者の治療を開始した。これは首都ビエンチャンで暮らすHIV/エイズ患者にとって重要な決定となる。それまで患者は抗レトロウイルス薬(ARV)治療を受けるために、わざわざビエンチャンから、国境なき医師団(MSF)が3年前から運営しているHIV/エイズ治療拠点のある600Km離れたサバナケットまで足を運ばなければならなかったからである。(以下はビエンチャンにあるセタティラート病院の理事長による発表からの抜粋)

10月24日、ビエンチャンのセタティラート病院の理事長であるソン・オック(Som Ock)助教授はラオス保健省と共に、ビエンチャンにおいて初となる無料でARVの処方や配布を行う治療の拠点を開設した。 ビエンチャンのシサタナルク(Sisatthanark)地区のバンドンコイ(Ban Done Koi)にあるセタティラート病院では、22ある診療科で様々な病気に対する治療を行っている。同病院は日本政府からの援助により2000年に建てられたものである。ベッド数は200床、毎日約300人の外来患者を受け入れている。

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こうした活動に加えて、同病院は2003年から保健省によるHIV/エイズと闘うための国家計画の一環として、増大するエイズ感染者に対して「ハッピー家族」と呼ばれるグループを通じてケアやカウンセリングを行っている。

当初はHIV感染者であることを公に認めたのはわずか4人に過ぎなかった。しかし、2006年10月現在では171人がセタティラート病院に通院している。多くはビエンチャンの住民であるが、中にはまだこうしたサービスのない近隣の地域やラオス北部から訪れる人もいる。

そこで、私達はエイズ患者の治療に対する責任を認識し、さらなる一歩を踏み出す決心をした。

HIV/エイズは慢性的な疾患であり、糖尿病や高血圧症と同様に生涯を通じて付き合わなければならない。実際、患者は決められた治療法に厳密に従わなければならない。

セタティラート病院は、保健省、ラオス国立大学、CHAS、そしてビエンチャン委員会の管轄の下でHIV/エイズによる影響を最小限にとどめるため、今後以下のサービスを提供するものとする:

  • HIV/エイズと闘う国策に準拠した、エイズ検査の実施前と実施後に行う任意で無料の秘密を厳守した診察
  • HIV陽性患者に対する医療ケアの実施
  • MSFが寄付するARVの投与
  • 患者の免疫状態を診断するためのCD4陽性リンパ球数検査などの補足的検査(同検査で使用する機器は日本政府の提供による)の実施
  • 患者および家族に対するカウンセリング

こうした活動を実施するために、担当する医療チームはMSFのサバナケットにおける活動チームのメンバーおよび海外の専門家から研修を受けた。

セタティラート病院の理事会を代表して、またラオス国民として、ARVにより予防・治療が可能であるものの未だ不治の病であるこの流行病に対して、私は相互に関わる懸念を強調したい。 今日セタティラート病院において、日和見感染症の予防・治療およびARVの提供により最初の重要な第一歩が踏み出された。この国における2番目のセンターの開設により、治療を必要とする人びとに対するケアを実施する機会を増やすことが可能となった。次の段階は、世界基金や他の国際機関からの援助を通じて全ての患者が継続してARVを服用できることを確実にすることである。

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