MSFはコンゴ民主共和国、ルワンダ、ラオスで相次いで抗レトロウイルス薬治療を開始

2003年10月30日掲載

国境なき医師団(MSF)は今月、コンゴ民主共和国(DRC)とルワンダの首都で抗レトロウイルス薬(ARV)治療を開始した。加えてラオスでも多剤併用療法によるエイズ患者の治療を始めた。

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コンゴ民主共和国

MSFは今月、首都キンシャサで3人のHIV患者を対象にARV治療を開始した。MSFは9月にも同国東部のブカブでARV治療を開始しており、これらの治療開始はこの地域にとって画期的なできごとであるといえる。 キンシャサでは全人口の5%、売春を職業とする人の12.5%がHIV/エイズ感染者だと推定されている。これまで1720人がMSFのHIV検査を受けており、うち約16%がエイズを発症していた。今回ARV治療を始める患者は、これらの患者のなかから、医学的基準に加えて厳しい服薬規定を守ることができるかなどの基準により選ばれた。 MSFのテクニカルアドバイザーは、次のように述べる。「私たちは、この治療の導入により日和見感染症※(特に結核)の罹患率と致死率が大幅に下がると確信しています。また、DRCのように政情不安が続く国でもARV治療は可能であることが証明されると期待しています。私たちは南アフリカでのARV治療の経験から、それが患者にとって生きるための最後のチャンスであるかぎり、彼らは非常に熱心に治療に取り組むことを知っています。MSFはキンシャサでARV治療を受ける人の数を、今年末までに200人、2005年末までには800人にすることを目標にしています。」

  • 日和見感染症:HIV/AIDSウイルスにより免疫力が低下することで発症する感染症の総称

ルワンダ

ルワンダでは、キガリ地方北東部、ムヒマ(Muhima)地域でARV治療を立ち上げた。MSFは、対象地区でARV治療を必要としている患者の数は1500人にのぼると推定しており、毎月新たに20人の患者をARV治療対象者に加えることを目標としている。

ラオス

ラオスでは、同国初の「強力な多剤併用療法(HAART、Highly Active Anti Retroviral Therapy)」によるエイズ治療を始めた。HAARTは非常に効果的な多剤併用療法で、それを受けることにより患者は通常の生活をおくることができる。 治療を開始したのは、首都ビエンチャンから500km南にあるサバナケット(Savannaketh)州の患者である。公的なプログラムの枠内でHAARTを受けるのは、ラオスではこの患者が1人目である。MSFは将来的には同州および周辺のHIV/エイズに苦しむ人々すべてにHAARTを提供したいと考えており、またこの治療プログラムをラオスの他の地域に拡大する方法も模索している。

現在、MSFのARV治療を受けているエイズ患者の数は世界中で5千人にのぼる。

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