中央アフリカ共和国:10万人程度が紛争を逃れて周辺国に

2014年02月20日掲載

武装勢力間の抗争が激化している中央アフリカ共和国から、国外へ避難する人が数週間で急増している。現在、推定8万人~10万人が、カメルーン、チャド、コンゴ共和国、コンゴ民主共和国に避難したとみられている。

MSFは、国内の緊急対応プログラムに加え、緊急対応チームをカメルーン、チャドとコンゴ民主共和国で稼働させ、現在はコンゴ共和国でも調査を行っている。

MSFは現在、中央アフリカ共和国の首都バンギ、ブワル、ボゾウム、ボサンゴア、バンガッスー、ベルベラティの6ヵ所で緊急援助プログラムを運営している。また、バタンガフォ、ボギラ、カルノー、カボ、ンデレ、パウア、ブリア、ゼミオの8ヵ所で定常の援助プログラムを運営。240人前後の外国人スタッフと2000人以上の現地スタッフが活動している。

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10日間で9000人、心身ともに消耗――カメルーン

十分な食糧がない状態で長距離を移動し、栄養失調になる子どもが相次いでいる 十分な食糧がない状態で長距離を移動し、
栄養失調になる子どもが相次いでいる

国境を接するカメルーン東部には、すでに2万2000人以上が滞在している。そのうち約9000人は、2月1日~10日に到着した。徒歩で国境を越え、道中で入手できたものだけを口にしてきたため、到着時には誰もが疲れ切った状態だ。

カメルーンでMSFの緊急対応コーディネーターを務めるシルヴァン・マテューは「人びとは心身ともに消耗し、傷を負っています。診療中に泣き出す患者もいます」と話す。

MSFは、国境通過点のガルア=ブライに到着した人びとを対象に、1次医療の提供を開始した。現地には推定4500人が滞在している。また、他の複数の地域にも避難してきた人びとの大集団が滞在している。MSFでは、今後、さらに多くの人が国境を越えてくるとみている。現在、1週間あたり約900件の診療を行っており、子どものマラリアと呼吸器感染症が多くみられる。

また、はカメルーン保健省や他団体と並び、MSFも重度栄養失調の治療にあたっている。近日中にガルア=ブライから45km先にあるムボルゲネの一時滞在キャンプで活動を始める予定だ。その他2ヵ所の一時滞在キャンプの設置が、ガルア=ブライの北に位置するアダマワ州で進められている。

子どもたちが急性栄養失調に――チャド

トラックで避難場所に到着した人びと トラックで避難場所に到着した人びと

チャド南部には、数週間で約3万5000人が到着した。主に女性と子どもで、トラックや徒歩で移動。多くの人は200km以上もしているため、疲れ切った状態だ。MSFは、国境から10km先のビトイェで医療援助を行っている。

ビトイェの人口は1.5倍に膨れ上がっており、援助活動が限界に近づいている。食糧配給は1週間以上前に1度あっただけで、トイレもなく、飲料水は不足している。MSFはわずか3日間で、急性栄養失調に陥っている子どもを19人も確認した。ほかには、マラリア、下痢、呼吸器感染が多い。重症患者は、25km離れたバイボクム病院に移送している。

チャド・中央アフリカ国境で緊急対応コーディネーターを務めるアントニ・トブナンによると、トラックで到着した人は身の回りの品を少し持っているが、徒歩の人は何も持っていない。さらに、1人で到着した子どもが約50人いるという。

MSFはシドでも活動している。ここには8500人が集まっている。今後も数千人規模の到着が予想されている場所だ。

「食べ物を手に入れることが難しい」――コンゴ民主共和国・コンゴ共和国

コンゴ民主共和国北部のゾンゴには、2013年3月からすでに、人びとの到着が始まっていた。公式発表では、同国内には中央アフリカ人難民が6万人おり、ほとんどは赤道州とオリエンタル州の国境沿いに滞在。6万人の半数は4ヵ所の難民キャンプに入り、他の半数は受け入れ世帯で暮らしている。

避難してきたポーレットさん(27歳)は「食べ物を手に入れることが難しいですね……。私たち家族を受け入れてくれる一家があって幸運でした」と話す。受け入れてくれた一家は、1996年にコンゴ民主共和国(当時の国名はザイール共和国)で武力衝突があった時、中央アフリカ共和国に避難し、ポーレットさん一家のもとに身を寄せたことがあるという。

ポーレットさんは「私はここで、畑仕事をしています。もう少しすれば、いくらか食べ物を買えるくらいのお金がたまるでしょう。私たちには食べ物が必要です。健康上の問題もありますが、私には子どもを連れてお医者にかかるお金がありません」

ゾンゴ総合病院には、MSFが支援している小児科がある。ここで、1月27日から2月中旬にかけて、167人の子どもを治療。その大多数は重症マラリアか栄養失調だった。また、移動診療をバンギの至近距離で行っている。サムボロラで行った移動診療では、7日間に810人の患者を治療。患者の40%は、中央アフリカ共和国の首都バンギから来た人だった。

コンゴ共和国では、推定1万~1万2000人が滞在している。MSFは現在、適切な対応を決めるための決めるための状況調査をしている。

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